「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

本当は怖い愛とロマンス~桑田佳祐~

本当は怖い愛とロマンス(通常盤)/桑田佳祐
¥1,500
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今、療養中の桑田さんの新曲だ。

しかも、新旧交えた8曲入りの豪華版。

1曲目、新曲、『本当は怖い愛とロマンス

聴いた印象は、可もなく不可もなくという感じ。

ポップスのスタンダード。

メロディは耳に残るけれども、さすが、桑田さん!という感じじゃない。

桑田さんが本気を出せば、青春のひと夏の思い出をすべて奪い去ってしまうほどの曲が出来るのに。

2曲目、『EARLY IN THE MORNING』

めざましテレビのテーマ曲。

これも、あんまり面白くないなぁ。

編曲も古いというか、洗練されている感じがしないし。

「サンシャーイン」の後のトランペット?サックス?の入り方とか、カッコいいとは言い難い。

3~8曲目はライブ音源。

昔の曲。

最近、桑田さんの作品ははっきり言って面白くない気がする。

明日晴れるかな』『風の詩を聴かせて』『ダーリン』『君にサヨナラを

すべて、ポップスの見本のような曲ばかりだ。

日本のポップスを作り上げた桑田さんのなのだから当たり前なのだけれど、自分で作ってきたレールをぶっ壊すような勢いが感じられないのが悲しい。

世に万葉の花が咲くなり』を出した時なんか、おそらくこれ以上の作品が出来るのか、とだれもが思っただろう。

ロックとしてもポップスとしても、これほど完成度の高い作品は観たことがない。

『BOON BOON OUR LOVE』『GUITAR MAN'S RUG』『シュラバランバ』『DING DONG』

どれも秀作だ。めちゃくちゃカッコいい。日本語だか英語だか分からないけど、重厚なサウンドと軽やかなピアノ。

日本のロックシーンに残る名作たちだと思った。

さらに『慕情』『涙のキッス』『IF I EVER HEAR YOU KNOCKING ON MY DOOR』など、青春の思い出を彩ってくれるバラードがアルバムを盛りたてる。これら一曲一曲に思い出がある。この曲があるからあの夏があると言ってもいい、桑田佳祐の独壇場だった。

もう、これ以上の作品はあり得ない、と思ったけども次回作が凄すぎる。

『Young Love』だ。ザ・サザンオールスターズという感じのアルバム。え?ベストじゃないの?と思うほどだ。

『胸いっぱいの愛と情熱をあなたに』『Young Love』『愛の言霊』『Moon Light Love』『あたただけを』『太陽は罪な奴』『心をこめて花束を』これが一枚のアルバムに入ってるんだから、凄すぎる。アルバムを聴いて初めて泣いたっていう友達がいたほどだ。

青春がぎっしり詰まっている。このアルバムを流せばあの夏が蘇る。

桑田佳祐のポップスがスタンダードになったアルバムだった。

はっきり言って『Young Love』を超えるアルバムはない。そう思ったけど、見事に自分で作ったスタンダードをぶち壊したのが次回作の『さくら』だった。

『NO NO YEAH/GO GO YEAH』『YAREN SHUFFLE』『爆笑アイランド』『CRY 哀 CRY』『PARADISE』『MESSENGER』は日本語ロックの最強傑作だと言って良い。

出だしから重厚なギターサウンド、桑田佳祐のしゃがれたシャウト、鳥肌が立つほどカッコいい!

これが大人のロック。かっこいいサザンオールスターズだ。

『Love Affair』『BLUE HEAVEN』『素敵な夢を叶えましょう』などは、ロック色の強いアルバムの中でもこれらのバラードはひときわ輝く。

あれほど、新しいバラードのスタンダードをつくってきたのに、それとはまた違うやり方でスタンダードを作ってしまった。脱帽した。

『さくら』は個人的にはサザンオールスターズの最高傑作だと思っている。

どうするんだ桑田さん、これらのアルバムの次に発表できるアルバムなんて存在するの?ファンは皆そう思ったんじゃないだろうか。

そして、それからかなりの年月を経たニューアルバム『KILLER STREET』は予想通りの出来だった・・・。

悪くはないけど、今までのアルバムのように、スタンダードをぶっ壊すような勢いがなかった。

今までの延長・・・無難な曲調・・・という印象は否めなかった。

その後の『DIRTY OLD MAN』 『I AM YOUR SINGER』なんかも無難な曲だった。

はっきり言って『さくら』以降の桑田さんは勢いがない気がする。

新たなスタンダードをつくってやるというよりも、みんなが望む桑田サウンドを作っている気がする。

まぁ、これがやりたかった音楽なのかもしれないけど、僕は少し物足りない気がしている。

波乗りジョニー』を聴いたとたん、夏が始まるんだ!というワクワク感が生まれる。

『可愛いミーナ』を聴いたとたん、この夏はもう戻らないんだという寂しい気持ちになる。

白い恋人たち』を聴いたとたん、冬を一人ですごす映画の主人公になれる。

聴いている人を、別世界に連れ去ってくれる、そんな桑田サウンドを聴きたい!

復帰後は、新たなスタンダードを作ってくれることを期待しています。

だからこそ、桑田さんが出す曲は絶対にお金を出して買うようにしているのだ。

なんだかんだ言って、大好きなのだ。