「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

悪の教典

ニセモノ 映画『悪の教典』を公開初日に観てきました。 15禁ながら梅田TOHOシネマズの一番大きいシアターで公開しており、その注目度が伺えますね。 原作は単行本サイズで上下巻あるものをどうやって2時間で納めるのか、期待して観ました。 新世界よりも上下巻あり、アニメで20話以上続くってことですから、悪の教典をどう圧縮するのか監督の技量が問われるところです。 観終わった感想は、前半と後半のギャップが小さかったのが残念、ってところかと思います。 原作では上巻を使ってハスミンがいかに周りの人心を掌握していくのか丁寧に描かれていました。その完璧ぶりに読者まで欺くのだから、貴志祐介の技量には感嘆せざるをえません。 さわやかで賢くてカッコいいハスミンが保護者や同僚に信頼され、クラスにハスミン親衛隊が出来、みんなから祭り上げられる様を長く描くことによって、後半の悪魔化するハスミンの不気味さが際立つのです。クラスの中にはハスミンを崇めるグループからちょっと不気味に思う子まで仔細に心情が描かれていましたが、映画では生徒の描写は皆無といってよいほどでした。しかも、あんまり可愛くない・・・。わざとかってくらい可愛い子が使われていなかったですね。バトルロワイヤル並みに豪華キャストにすれば、もっと華やかな血みどろシーンが撮れたのに・・・。 つまり、前半の善ハスミンがほとんどはしょられて、悪ハスミンを中心に描かれていたので、サイコパス性善説に基づいて作られたシステムに紛れ込む恐怖を描く、というよりもスプラッター映画になってしまった感が強かったです。 ただ、伊藤英明がハスミンのキャラクターとぴったりだったのと、to be continuedとして続編に期待が持てたのは良かったです。