「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

タクシードライバー

タクシー・ドライバー【ワイド版】/ロバート・デ・ニーロ
¥3,990
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若かりしロバート・デニーロ主演の社会の退廃をするどくえぐった傑作。 あのジョディフォスターが12歳半の売春婦として登場するが、彼女がストーリの中で非常に重要な役割を演じる。 厭世的な青年と無垢な少女の心の触れ合いを描くもので「バッファロー66」と似た作品かと予想していたけど全然違った。 ベトナム戦争帰りの男、トラヴィス。日々、タクシードライバーをしながらニューヨークの街を見ている。そこには売春婦や麻薬中毒者など、汚い人間が汚い街で汚い生活を送っている。彼は何かを焦っている。このままじゃいやだと思っているよう・・・。 そんな中、たまたま見かけた女性に一目ぼれし、ナンパ。デートにこぎつけるが、自分では当たり前だと思っている映画が彼女にとっては「不埒なポルノ映画」だと拒絶され、音信不通に。 そこから彼はかなりイカれた行動に出る。 政治のことは分からないけど、何の罪のない人間を戦争に追いやられて殺し合っている、街では悪漢が我が物顔ではびこっており、自分はただのタクシードライバーで世の中を変える何の影響力も持っていない。 そこで彼がとった行動はすごくストレートで素直で純粋なものだった。とにかく、何か変えたかった。フィジカルから鍛えなおすさまは見ていて可愛らしい。 そして、自分の衝動を貫き通した末路は・・・まさかのハッピーエンド! 彼は一瞬ヒーローになった。何の影響力のないはずのタクシードライバーでも少女の人生を明るいモノにすることができた。 そんなささやかな満足と、それでも続く街の不穏な営みに少しの諦めを認めつつ、哀愁を帯びた顔でトラヴィスは今日もタクシーを走らせる。 僕にはそんなストーリーに映った。 たぶん、いろんな見方がある。だから名作と呼ばれているんだね。