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「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

アバウト・タイム 愛おしい時間について

映画

abouttime

『ラブアクチュアリー』の監督の最新作『アバウト・タイム』。タイムトラベルの能力を持つ家系に生まれた主人公がタイムトラベルを使ったり使わなかったりした末に、当たり前の幸せを手にしていくヒューマンラブストーリーです。

もの凄く評判も良いし、周りの人も泣いていたりしたのですが、私はイマイチでした。私だけ頭がいかれてるのでしょうか。大事な感情が欠落しているのかもしれません。途中退屈過ぎて大事そうな場面で寝てしまったので、本当の感動場面を逃ししまったせいかいもしれません。

以下ネタバレ含みますので、まだ観ていない方はお気をつけ下さい。

タイムトラベルを使っても愛情を手に入れる事は出来ない。家族に起こる最大の不幸は回避できない。だから一日一日を宝物の様に大事に生きていこうね、という単純なお話だと思うのですが、どうもそのメッセージを素直に受け入れられないのです。だって、偉そうな事言いながら主人公はタイムトラベルを駆使して、彼女を口説き落としたし、妹の事故も未然に防ごうとした。結果的に未来を変えなかったのは、自分の娘が消えちゃうからという理由。もの凄く自分勝手な気がして。妹と一緒にタイムトラベルしたのに妹の了解なしに、また事故のあった世界に戻しちゃうのも意味不明。何よりタイムトラベルの設定がテキトー過ぎる。

さらに何気ない日常を大事にっていうメッセージは当たり前過ぎるとというか、直接的過ぎてわざわざこの映画に言われるまでもないわ!と思ってしまう。家族と一緒にいられる時間を大切にして、恋人との何気ない会話や食事を愉しんで生きる、それって出来る人はそうやって生きているし、出来ない人は教えられても出来ることじゃないと思うんだけどなぁ。

そして何より主人公の男の魅力のなさ!格好良くないし、ジョークも冴えないし、まったく惹き付けられるところがない。ヒロインはとってもチャーミングだから、タイムトラベルという特殊能力のお陰で幸せを手にしたとしか思えなくて、何か祝福する気になれない。

ただし、嵐の中の結婚式の場面は映画史に残るほど可愛らしいし、音楽と映像の相性はパーフェクト。イギリスの街並がどれも美し過ぎて、日本に生まれてきた事が恨めしくなってくるほど。お花畑に囲まれた大きく白い一軒家。海沿いでランチして、庭の木陰でティータイム。

もはやイギリスに生まれてきたというだけで、人生に感謝しろと言いたくなる映画です。