「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

心にモヤモヤをもたらす映画『ミスト』

言わずと知れたSFホラーの金字塔『ミスト』です。

突然、街が霧に包まれ、怪物に教われる単純な設定ですが、避難場所であるスーパーマーケットで繰り広げられる人間ドラマが憂鬱になるくらい深い。

共通の敵が出来れば人々は結束する、というのが人間の本質かと思っていましたが、この映画をみるとどうも違うらしい。人間が二人以上いれば、必ず対立が生まれてしまう。たとえ、霧の中の怪物という共通の敵がいたとしても、敵への対処法、今後の行動指針、過去の行動、など無限の事案について、人間達は対立できる。対話を止めれば、物理的な攻撃はどちらかが殲滅するまで続く。そして勝ち残ったグループの中でまた対立が生まれるのです。

世界から戦争を失くすには、宇宙人が襲来してくるしかない。と私の先生は冗談まじりに言っていましたが、その宇宙人への対処法をめぐって人間達は何分割にもなり得るような気がし、暗澹たる気持ちになったのでした。

話は変わってSF要素に言及すると・・・ 図体が大きかったり、数が多かったりする敵が居て、彼らの敵対行動が噛み付く、切り裂くなどの物理攻撃に限られるのであれば、人類の軍事兵器は絶対に負けることはない。だって核兵器やら戦車やら爆撃機やら、生命を焼き尽くす兵器はそれこそ星の数ほどあるのだから。

敵が目に見えないウイルスとか、精神汚染とか地球ごと爆破する隕石とかだったら、望み薄だけど、ただ単に物理攻撃をしかけてくるだけの敵なら、軍が助けてくれるのを待つのが普通の現代人なんじゃないかしら。

とまぁ、色んなことを考えさせてくれる良い映画でした。