「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

告発

アルカトラズ連邦裁判所を閉鎖に追い込んだ実際の事件を元にした映画です。

ヘンリーヤングは貧しい家庭に生まれ、幼い妹と生活していました。売店で仕事を貰おうとしますが、断られ、$5を盗難してしまいます。その売店は郵便事業もかねていたため、郵便物窃盗の罪に問われ、以後20年間、刑務所の中で暮らします。アルカトラズ連邦刑務所で脱走を謀りますが、仲間の裏切りにより失敗。その後、3年間、全く光の入らない地下の独房(高さ1.5m)に入れられ糞尿に塗れ生き続けます。3年間のうち、外で出て運動が出来たのは2年経過した時点で30分のみ、その他の時間も常に暴行にさらされながらも生き伸び、3年後、独房から出ることが出来ました。しかし、精神に異常を来した彼は、脱走の裏切った囚人をスプーンで刺し殺してしまうのです。この事件の弁護を受け持ったのが新人弁護士のジェームズ。彼も幼い頃に両親を失くしていますが、優秀な先輩弁護士の兄に支えられ、エリートコースを走ってきました。勝ち目のない裁判だと思われましたが、アルカトラズの虐待の事実を知ったジェームズはアメリカ合衆国の国家権力全てを敵に回し、途方もない戦いを挑みます。

孤立無援の中、戦い続け、友情を育んでいく二人の姿が清々しくて美しいです。誰もが理想を持って今の仕事に就いたことでしょうが、ジェームズの様に正義を貫くことが出来る人が何人いるのでしょう…。こんなに素晴らしい人間がいたことはアメリカの誇りだと思います。一方、ヘンリーの最期はあまりに悲しく、ここまで人間が残酷になれるものかと思うと、気が滅入ってしまうほどです。

みんなに観てほしい映画です。 元気で健康な時に、おススメです。