「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

インド旅行紀1日目

インド旅行紀を忘れないうちに記そう。 出発の日、目を覚ました瞬間から、違和感に気付いた。喉が痛い・・・そして、少し身体がダルイ。というよりも、前日、前々日から喉に違和感を感じてはいた。でも、旅行をキャンセルする訳にはいかない。すでに航空チケットだけで10万円分手配済みなのだ。それに、何も予定がないにしても家に閉じこもっていなくてはならないほどの、倦怠感ではなかった。今日は、カフェでゆっくりしよう、と思うくらいの不調だったのだ。そう自分に言い聞かせながら、旅の支度をし、空港へと出かける。 自分の寮よりも実家の方が近いので、実家から関西空港へ。25歳にまでなって、両親に空港まで送ってもらい、朝食をごちそうになり、チェックインまでついてきてもらう。空港についてくるほどの心配性の両親に、体調が悪い、などと口が裂けても言えない。風邪をひいている状態でインドへ行くなど決して許さないだろうから。うちの両親が過保護なのか、親と言うのはそういうものなのか、インドへ行っても1日3度電話するよう念を押される。事前にiphoneが海外でも使えることを調べておいたので、大丈夫と言ってゲートへ(そもそもアメリカ製なんだから海外で使えるはずだ、日本だって彼らからしたら海外だ) 財布には5万ほど入っていたが、いつ何時必要になるか分からないので、余分にお金を下ろすことにし、みずほ銀行ATMを探すが、見つからない。三井住友と三菱UFJは見つかってもみずほ銀行が見つからない。搭乗時間がせまってきたので、インフォメーションセンターへ行き、場所を聞く。「みずほ銀行のATMはお取り扱いがございません」と申し訳なさそうに言われてしまった。関西の世界の窓口である関西空港にATMがないということは、もう関西を捨てているということである。街を歩いていてもみずほ銀行だけがなかなか見つからないことがよくあったが、今回の1件でみずほ銀行の戦略がはっきり分かった。彼らは関西を全く見ていない、ということが。仕方がないので、多少の手数料がかかっても、他行のATMから10万円を下ろす。もちろん、10万円全て使う気はないが、ないよりはマシかと思ったのである。 飛行機に乗り、映画でも見ながら時を過ごそうとしたが、どうにも落ち着かない。キャッセイパシフィックの飛行機だったのだが、これが酷い席だった。前が偶数席なのだが、自分の列が一つ少ない奇数席なのだ・・・そうなると、どういうことが起るかというと、前の2席の間に自分の席があるので、画面が左右二つ観れることになる。自分は左端だったので、左画面は自分専用、右画面は右の人と共有。しかもあの液晶画面は角度をつけると暗くなり、何も見えなくなるので、結局は両方見えずらい。これはダメだと思い、寝入ることにした。 香港まで3時間ほどだったろうか。到着寸前で目が覚めると、ものすごく寒い・・・明らかに熱がある・・・。喉の痛みを甘く見ていたようだ。これは家にいて寝なきゃいけないレベルのだるさである・・・完全に失敗だ・・・。 だが、もう文字通り乗りかかった船である・・トランジットの飛行機である・・・いまさら引き返せない。ついた時刻が13時・・・デリー行きの飛行機は19時初だから、たっぷり6時間も香港で時間をつぶさなくてはならない。 まだゲートNOも出てこない時間なので、空港をぶらぶら歩いていると、気が紛れてきた・・・これは空港のベンチで寝るよりも、香港の街を歩いた方が体に良いのではないかと思い、入国手続きを済ませることにした。入国ゲートはかなり並んでおり、40分ほど待たされている間、実家の本棚から持ってきた『人間の証明』を読む。旅行にきていながら、別世界に入り込み、いざ、香港へ入国。 香港に来たのならば、香港ドルを持たねば何も始まらないだろう。とりあえず、物価を知り、いくらくらい両替するべきなのかを調べる。空港から香港駅までが当日往復で100香港ドル・・・。タイの物価の感覚で言えば、1香港ドル2円くらい・・・?と思ってしまう。すぐに両替商へ行けば話が早いのだが、香港の空港には両替所があまりない。ゲートを出るところにあったが、人だかりができていたので何も確認せず、素通りしてしまったのだ。 空港を端から端まで歩いたが、見事に1個もない・・・どうやら、最初の1か所で両替するものらしい。 歩いている間、iphoneでレートを調べようとするが、WIFIの使い方が全く分からずネットに接続できなかった。自分の情報弱者ブリに腹が立った・・・香港ドルのレートもしらない。。。。WIFIの使い方もしらない・・・・こんなんでよく社会人やりながら独り旅しようなんてて言うな全く。 ようやく、最初の両替所に来て、香港ドルのレートを確認。1香港ドル≒10円・・・・まじか。 すると空港から香港駅までの往復が1000円以上する訳か・・・関空から梅田までの往復を考えたら安い・・・成田空港から銀座までの往復を考えたらめちゃくちゃ安い・・・・でもふらっとトランジットして街歩きするために払うお金としては安くない・・・・でもあと6時間も時間をつぶさなくてはならないので、10000円を香港ドルに換えた。 切符を買い、香港駅へ向かう。たった3駅の短い鉄道旅行だがひと駅1駅の距離はかなりあり、片道20分ほどでついた。 ニセモノ さすが香港大都会である。 駅直結のショッピングビルの中は、全世界同じ風景。ディオール、ヴィトン、アルマーニ、シャネル、グッチ、ティファニーだ。銀座も表参道も梅田もバンコクも香港もロスも全部一緒である。みんな、綺麗な硝子張りのショッピングセンターに手が出ないほどの高級衣料が並んでいる。こんなにいっぱい支点があって、それぞれみんな黒字でやっていけているのだろうか、不思議である。店舗数が多ければ多いほど、身近に手に入りやすくなる(物理的に)、そうすれば希少価値が下がって、高級感がもなくなってしまう気がするのだが、これらのブランドはうまくやっているのだろうか・・・。 少しガッカリしながら、悪化するばかりの倦怠感を抱え、街を歩く。 ようやく香港っぽい街並みが見えてきた。 ニセモノ ニセモノ 港で休んだり、本を読んだりしているうちに夕方になり、空港へ向かうことにした。 熱があり食欲がないため、香港の食事を楽しめなかったのが実に残念だった。やはりガイドブックの一つや二つ買っておくべきだったな、という後悔と、こんな体調じゃどんな情報があったって楽しめなかったな、という慰めがないまぜになった心境で、デリーへの飛行機に搭乗した。 ジェットエアウェイズの飛行機はキャセイパシフィックの座席よりも数段広々としており、偶数奇数の問題も当然ない。しかも、隣は空席と言う恵まれた条件下で6時間ほどのフライトで体を休める・・・・。香港でも街歩きにつかれていたせいで、すぐに意識がなくなり、目が覚めるとインドであった。 出国審査を受ける人の中にも日本人の一人旅が結構いるようで、新たな出会いを期待しながら、空港に迎えに来ているはずのホテルのドライバーを入国ゲートで探す。 案の定、ない。無料送迎があるというからそのホテルにしたのに、迎えに来ていない、これがインドクオリティ。 だが、別の名前のプレートをもった同じホテルの男がおり、声をかけた。「予約してるんだけど・・・」。ホテルと電話で連絡を取り、その男は一緒に連れて行ってくれると言った。 そのドライバーが正式に待っていたのは日本人のW君で、彼は年も近く、旅好きで独りでインドに来たということだった。GWに思い切って旅行にでた3年目の社会人だった。空港からデリー中心街まで車で40分ほど。その間、彼が旅してきた、諸国の話を聞けた。ミャンマーでは軍人に銃を突きつけられたとか、ベトナムを縦断したとか・・・。旅慣れた気の良い青年だった。 ホテルにつきバウチャーを見せると、すんなり部屋へ案内してくれた。だが、W君と同じ部屋を案内された・・・ いやいや、我々は別々に部屋を予約したんだから、別々の部屋にしてくれ、と要求。別に彼と同じ部屋なのが嫌なのではない。むしろインド旅行なら、それぐらいしたい。でも、僕は熱があった・・・しかも高熱が・・・彼にうつしたら申し訳ないではないか・・・そう思い、遠ざかる意識の中、説明し、別の部屋を用意してもらった。 僕の迎えが来なかった理由はどうやら、予約日付の問題らしい。23時30に空港につくため、宿泊は00時以降になる、だから、00時から日付が変わった日を指定したのだが、W君は24時として前日の日付で指定していたらしい。厳密には自分が正しいと思ったが、旅行者の中ではW君の機転の利かせ方が奏功するらしい。またひとつ勉強になった。 高熱と疲労の中、三度眠りにつく・・・ ようやく1日が終わった。