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「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

『家政婦の三田』を全部観た。

日記

最終回の視聴率40%をたたき出したモンスタードラマ。放送中は全くチェックしていなかったので2年遅れで観ました。 土曜日の夜から日曜日の夜までに飽きずに一気に観てしまったので、相当面白かったです。

私がこのドラマに強く惹かれたのは三田さんのキャラクターや美しさではなく、父性神話に関して正面から切り込んでいった点です。 このドラマに出てくる父親は、普通に描かれるような父性に溢れ、無条件に子供たちに愛を供給する人ではありません。なんとなく流されて出来ちゃった結婚しちゃったけど、自信ないまま何となく子供4人も作ってしまい、本当にこのままで良いのか迷いながら何も決められない、どうしようもない父親です。妻以外の女性を好きになっちゃうし、子供を愛していると嘘をつくことも出来ません。でも、根が善人というか無邪気なので、平気で周りを傷つけていくのです。

このドラマがここまで視聴者を獲得できたということは、この父親の気持ちに共感できる男性が一定数いるってことなんじゃないかと思うのです。子供を一心に愛することが出来ない父親。家族よりも不倫相手に人生を捧げたくなる父親。父親像を演じ続けなくてはいけない圧力に窒息しそうになっている父親が。誰もがこのドラマの父親のような欲望をもっていることに後ろめたい気持ちを抱えているから、そんな彼が徹底的に罵られ、社会的にも抹殺される様を見ると、代理処罰を受けてもらっている様なカタルシスを感じるのでは?というか、私がこの父親に共感してしまい恐怖を感じながらも、彼に罰を受けてもらって救われた気持ちになったのです。

この父親が自分の欲望の限りに振舞い続けている間はどうしようもなく面白いドラマでした。でも、父親が父性を手にした途端、当たり前のホームドラマになってしまったのが残念です。