「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

電子書籍が出版文化を滅ぼす について

出版を含むマスメディアは信頼性が高く価値ある情報を選別し、世の中に流通させる役割を担っていました。
中略
質の高い作品や情報をつくり、流通させるという社会の重要な機能は失われ、残るのは不特定多数の人々による信頼性も質も保証されない大量発信だけです。 今日の朝日新聞のオピニオンから抜粋。発信者は元光文社編集長の山田順さんという方らしい。 電子書籍による情報の低価格化が進むと、出版文化が滅びるんじゃないか、という提言をしている。 質の悪い情報の中で「質の良い情報に金を払うべき」と説得させる手法は滑稽を通り越して見事であると思う。 トイレの壁に「落書きするな」と書くようなもんだ。 まだ、こんな考えを持っている人がマスコミ側にもいたのか、ということに驚いてしまった。 マスメディアが大衆を煽り価値を作り上げてきた時代なら「価値ある情報を選別し」ていたと言えるかもしれない。 マスメディアの信頼性を別の角度から検証する術を誰も持っていない時代なら「信頼性が高い」と思い込ませることは出来たのかもしれない。 でも、その二つの幻想をぶっ壊したのはまぎれもなく「不特定多数の人々による大量発信」である。少数の尊大な編集者たちの選りすぐりの情報よりもツイッター、SNS,ブログからの情報の方が、多角的で信頼性の検証に優れ、費用対効果でも優れていると誰もが判断しているのである。 誰もマスメディアなど信頼していないし、価値ある情報を選別してほしいとも思っていない、そのことを如実に表しているのが新聞発行部数の激減であり、電子書籍化であり、情報の低価格化なんだから。市場が間違っているのではなく、マスメディアがまだ固着している選民思想の方が間違っているのである。 今更こんなことを新聞の記事を大きく使って訴えるだなんて、ほんっとあきれ過ぎて気絶しそうになった。