「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

色々使える雑学満載『不愉快なことには理由がある』

不愉快なことには理由がある/集英社 ¥1,470 Amazon.co.jp なんかサクッと読める本を探して本屋へ行ったら、橘玲の本があったので買いました。 本書は週刊プレイボーイに連載されているコラムを加筆編集したエッセイ集です。全体的に最近起きた事件や社会問題を取り上げているので、賞味期限が早い書物かもしれません。 面白かったところ。 ・みんなの意見は意外と正しい。 雄牛の体重を当てるコンテストをしたところ800人が適当に答えた数字の平均は542.95キロ。そして、正解は543.4キロだったそうです。ここから演繹してデモクラシーが正解を導き出す確実な政治システムであると希望をもつことができそうです。この場合、思いっきり外す馬鹿が正規分布していなければならないという条件があります。 ただ、もう1つ気になったので、少し考えてみます。例えば僕の身長を当てるクイズをしたとします。私のことを観たことがない人が適当に答えたとしても、たぶん150~190以内に収まるでしょう。するとやっぱり平均は170くらいに収まって、正解は177なので、まぁ悪くない結果になるでしょう。でも、これはたまたま正解がそこだっただけで、もし、身長190センチの人がこのクイズをやったら、今度は大きく外れることになります。誰がクイズをやったって、答えは同じ「170」に収まるのだから、集団の意見が正解に近づく時は答えが「可もなく不可もなく」の時だけじゃないのかしら。だから、クールな時代には、可もなく不可もない政治家が選ばれて、大して良いことも悪いこともせずに終わるんじゃないかしら。 ・スウェーデンでは羽振りが良いのに課税所得の少ない人を通報するのが市民の義務 誰でも情報端末から、名前住所課税所得を自由に閲覧できるそうです。ここまでの監視社会ならば福祉医療制度を整えなくても、孤独死がなくなりそうなもんですね。 ・自己コントロール力の枯渇 超人的な意思でダイエットや禁煙をやっていると仕事が上手く行かなかったり、気分が沈んだりしません?それは自己コントロール力をダイエットや禁煙に向けて使い果たしているからです。身だしなみにすごく気を使うのに全然使えない。普段だらしないのに、いざと言う時に素晴らしい集中力を発揮する、そんな人いません?それも自己コントロールの配分なのです。 ・価値観を多様化する 「MAKERS」にもありましたが、多様性の優位性は何度指摘してもしすぎることはないですね。知的ブレイクスルーはいつだって、未知の領域から生み出されるのです。フェルマーの最終定理だって、全然畑の違う物理学の応用から証明の端緒を開いたし、実存主義で哲学界を席巻したサルトルをこてんぱんにしたのは文化人類学のレヴィストロースだった。国内の大卒ばかりを定期採用している会社は手堅く運営されるでしょうが、それ以上の爆発的飛躍はありえません。まぁ、それでも良いんですけど。価値観が多様化して、いろんな新しい発明、文化、料理、芸術が出来た方が、世の中楽しそうじゃないかなぁ。 とまぁ、さくっと読めてためになる情報満載の良本でした。