「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

A Second Wind

A Second Wind/アチーブメント出版
¥1,365
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映画『最強の二人』の原作本です。 映画があまりに素晴らしい出来で、登場人物に感情移入し過ぎたので、エンディングのテロップが気になったのです。 フィリップは再婚し、子供が二人いる ドリスも結婚し、社長をしている ってところ。 どうやって子供作ったの?? ドリスはどんなビジネス始めたの?? という未来も気になりましたが、どうしてフィリップがあんな大豪邸に住めているのか、ドリスに出会う前はどんな生活をしていたのか、も気になりました。 この原作本は、期待通り、映画の前後が描かれています。映画よりも前の時間が大半で、その後もきちんと書かれています。 しかし、厳密に言うと映画のストーリーとこの本で語られるストーリーはあまりリンクしていません。映画であった出来事がフィクションなのかノンフィクションなのかは、分かりませんが、まったく違う物語を選択して綴られていると思った方が良いかもしれません。 映画は二人の友情でしたが、この本はフィリップの恋愛譚と言って良いかと思います。どれだけ最初の奥さんを愛していたか。奥さんを亡くした絶望がどれだけ深かったか、が繊細に綴られているのだけども、その後、プロポーズするほどの恋愛をいくつかします。奥さんをどれだけ愛していたかを語った後に、他の女性がどれだけ素晴らしかったかを語り、その時の気持ち(たくさん子供が欲しいなど)を暴露するっていうのは、なかなか出来ない荒業です。実際、亡くなった人を愛し続けろと非難する人はいないけど、気持ちが切り替わったことを悟られると何となく冷たい人の様に思われてしまうんじゃないか、と危惧するものでしょう、普通・・・。でも、この人は全く悪びれない。どんどん恋愛しちゃう。そして、フられて、体調が悪くなり、気分が沈んでくると、元妻のことを思う。天国で彼女と幸せな再会をする妄想を始める。再会して、他の女性との恋愛を咎められた場合に何というかも想定してあります。彼の答えはこう。 「あぁ、あの娘はきれいでやさしかった。あれは、不死鳥として生まれ変わった私たちの愛の姿だったのさ」。 さすが、フランスの貴族wwww 返す言葉もないwwww 浮気がばれたとき、嘘をついたり、変な言い訳するのではなく、こう言いましょう。

「あぁ、あの娘はきれいでやさしかった。あれは、不死鳥として生まれ変わった私たちの愛の姿だったのさ」。

相手はそのまま消えるでしょう。 そんな不死鳥のメンタリティを持ったフィリップだからこそ、ドリスの危険なジョークも笑い飛ばせるし、四肢麻痺になっても希望を持って生きていけるのですね。 フランスには貴族というものがあり、何代先の子供まで裕福に生きていけるだけの富をもっている人がいるということも勉強になりました。そういう人たちは高等教育を受けて、良い給料を貰うので、富はさらに蓄積される、という構造もあるみたいです。 映画は映画、本は本、として楽しみましょう。