「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

セピア色の凄惨

セピア色の凄惨 (光文社文庫)/光文社
¥500
Amazon.co.jp

なかなか見つからなかった光文社文庫の小林泰三先生の本。 この前、梅田のジュンク堂でふらふらしていたら偶然見つけたので即買い。 物語は依頼人が探偵にレイという女性を探してほしいと頼むところから始まる。 探偵が聞き込みをして、全然関係ない話を持ち帰ってくるんだけど、その全然関係ない話がこの本のメインです。 待つ女 ちょっと変わってるけど不思議な魅力をもった女性に取りつかれた男性の話。論理的なのか、しつこいのか、良く判らない会話はテンポよく心地よい。何だか違和感を与えながら進み、その違和感が最後に爆発する手法はさすが。 ものぐさ 人を愛する気持ちとめんどくさい、という気持ちの葛藤。もしも、めんどくさい、という感情が全てに優先するとしたら・・・。 安心 自分の想定外のところで大事なモノを失うことへの恐怖心から、全てを事前に、自分の分かる範囲で確認したがる人の話。動物を痛めつける描写は、完全にNGでした。 英雄 命よりも祭りを大事にする街のお話。人がだんじりにひかれて死んでいく描写はもはやギャグ。 小林泰三ワールド全開っとまではいかない、小ワールドを覗くことができる短編集でした。