「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

動き出した眠れる巨象『インド世界を読む』

インド世界を読む (創成社新書)/岡本 幸治
¥840
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インドについて勉強したかったのと、手元に本がなくて何でも良いから買いたかった、という気持ちがあいまって、衝動買いした1冊。 インドの歴史、経済、文化を網羅割いた新書、となんとも至れり尽くせりな構成なんだけど、内容が素人のブログと変わらないほど稚拙。情報量的にはこのブログくらいかもしれない。(言い過ぎか) 全部、ネットで検索すれば出る程度のデータに、私はこう思う、という解説を加えてくれる。 遺跡を歩いて、かくも強大なムガール帝国がなぜ陥落してしまったのか、を知りたかったのだが、財政の破たん、くらいしか要因が分からなかった。でも、真実はそんなもんかもしれないなぁ。 以下は、この本を読んで思った仮説。何の根拠もない。 英国のインド支配は、面というより、点であったのかもしれない。政府や藩主を武力で抑え、主要産業や消費者を吸い取ってしまう。英国の戦略は上澄み戦略としては非常に優れていたのかもしれないけど、インドは一部の上層部をとらえれば民衆もついてくるような世界ではなかったのだろう。99%の民衆は英国の影響下になかったのかもしれない。インドのあのパワーは高層ビルや高級ビジネスタワーにあるのではない。日陰でぼんやりしている馴れ馴れしいオッサンやサリーでみずをかぶっている艶やかなおばさんやはだしで走りまわっているパワフルな子供や値上げ要求をしてくる尊大な乞食にそのパワーは宿っている。一部のエスタブリッシュメントを相手に商売をしているようじゃ、少しの小銭しか稼げない。そして、99%のインド、メイン層は権威、貨幣、権利、文化資本なんかじゃ動かせないような気がする。ちまちま小銭をかせぎ、便利な生活グッズを集め、高級外車を乗りまわり、高層マンションから夜景を見渡す、というような紋切型の理想が成り立たない世界だから。そんなことよりも、このうんざりするほど沢山いる人々とどうコミュニケーションをとって、限られた資源を配分して生きていくかが生活に根差したリアルな理想になるんじゃないのかなぁ。 1週間インドをぶらぶらしただけで分かった気になっている。 でも、痛切にそう感じたんだから、仕方ない。