「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

モモ

モモ (岩波少年文庫(127))/ミヒャエル・エンデ
¥840
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誰もが一度は聞いたことがある童話、モモ。 何やら時間の大切さを教えてくれる物語らしい、と期待して読む。 舞台はどこかもわからない。でも古い劇場や石畳の道がある西欧の雰囲気。 いつの時代かもわからない。でも、車やテレビはある。インターネットは無いくらい。 子供は子供の頭で楽しい遊びを考えだし、大人はゆっくり自分の仕事を楽しんでいる。 そんなときに灰色の時間どろぼうたちが大人と子供の時間を奪ってしまう。 時間を奪われた世界で、大人たちは子供たちに構えず、どうやって効率的に仕事を終わらせるかだけに心を集中し、一切の無駄をゆるすまいとギスギスしている。子供たちはそういう大人になるために、将来の役に立つことだけを強制させられた操り人形だ。 この世界は、まさにいまここじゃないか。良い会社に入るために塾へ行き、高校へ行き、大学へ行く。良い会社にはいり、良い地位につくために、身を粉にして成果だけのために働く、その先に何が待っているのかも考えずに・・・。それで良いんだろうか。 資本主義社会を、日本を、大企業を、僕の生活を、風刺しているではないか・・・。 あれがしたい、これがしたい、でも時間がない、とせかせかし過ぎな現代人は、これを読んでどう思うだろう。 時間は有限だ・・・だから大切にしなきゃいけない・・・でも時間を短縮するために楽しむことを犠牲にしてはいけない。時間は楽しむために流れているのだから。