「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

その数学が戦略を決める

その数学が戦略を決める (文春文庫)/イアン エアーズ
¥770
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数学をどう世の中に活かすか、という本かと思って買ったら、騙された。 数学ではなく、統計学の話である。統計学は数学というよりも経済学の分野の様な気がする。 今までは、専門家が、経験から決めていた戦略を、統計学で論理的にはじき出すようになってきた、その具体的事例を紹介する本である。 ワインの将来価格はワインの愛好家が味わって決めるよりも、醸造した年の降水量から算出した方が確実である、とか、航空券の値段変動予測そのものを商売にする会社の手法とか。 その事例は、結婚相談所や、公共政策の選定、医療業界の改革まで、非常に多岐にわたり、驚くほどの成果を挙げている、らしい。 扱っている内容は非常に興味深いんだけど、具体的事例の紹介に終始しており、どう分析したかが分からないのが、もったいなかった。無作為抽出の有効性の説明は非常にくどいほど長いが、そのデータをどう分析したらイエスかノーの2者択一の判断材料になるかが、判然としなかった。何百という変数をどう分析したら、定性的な結論を導き出せるのか、が知りたかったのに・・・。 失敗事例や、絶対計算が自らの妥当性を検証する計算機能を持っていることなど、客観的な目線で、これらの将来性を紹介する本である。 入門中の入門中の入門の本なのだろう。勉強するなら、数式を使った本を読まなきゃならんね。