「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

アムステルダム

アムステルダム (新潮文庫)/イアン・マキューアン
¥500
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革命的な構成力と無限の様な時間流を作り出す精緻な文章力をもって、『贖罪』でイギリス文学に金字塔を打ち立てたイアン・マキューアンの作品。 とあらば、期待度が高まるのも当然だ。 今回は、放蕩な人生を送ってきた女性モーリーの死から、彼女と関係を持った男たちの人生の歯車が狂っていくお話。世界的作曲家、世界的雑誌の編集長、外務大臣、の3人が紡ぎ出すどうしようもない憎悪劇である。 文字通り本当にどうしようもない。共感しようもないくらい、それぞれの感情がストレートで剥き出しである。 期待度が高すぎたせいか、全然ダメである。 安っぽい悲劇と飽きさせない状況描写くらいしか目に留まるものがない。 『贖罪』が世界を揺るがすほどの衝撃作だっただけに、非常に惜しい。 この小説がなんかの賞をとっているらしいが、読むほどのものじゃあないと思う。