「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

粘膜兄弟

粘膜兄弟 (角川ホラー文庫)/飴村 行
¥780
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飴村行の驚愕『粘膜シリーズ』第3弾!!!! 街外れで『フグリ豚』を育てて暮らす、須川摩太吉と矢太吉の双子、飼育係のヘモやん。 双子が憧れるカフェーの女、ゆず子。 彼らをめぐる奇想天外変態戦争エンターテインメント。 第壱章 双性妄獣 超ド級に面白い!小説を読みながら、声をあげて笑ってしまうことなんて、今までなかったけど、ここでは何か所もある。急展開の連続、どうなるどうなる、と気になって、途中では止められなくなる。 摩太吉の勇敢さ、矢太吉のあほっぷり、ヘモやんの愛すべき変態行為、そして何より、ゆず子の蠱惑的魅力の不思議。小説なのに、映像がないのに、ゆず子がすごく良い女に見えてくる。めちゃくちゃ可愛く見えてくる。 ゆず子の為なら命を張ってやるという双子の気持ちが伝わってくる。やっぱり文章がめちゃくちゃ巧いんだなあ。 第弐章 灼熱戦線 ここから粘膜蜥蜴で魅せた飴村先生の戦争エンターテインメントが始まる。舞台設定も細かいし、大局的な戦略の説明から、最前線の戦術まで事細かく描写してあるのに驚く。土豪の掘り方とか、銃の構え方とか、しっかり資料に基づいて描いてるんだろう。ここで、雪麻呂的な、クソ野郎たちが大躍進。蜥蜴人間へルビノも登場。 粘膜蜥蜴系の面白さ。第一章ほど、はちゃめちゃじゃないけど、痛快で卑猥で気色悪い。 第参章 憤激亡者 この破天荒な物語はどこへいってしまうのか・・・仲良し双子はどうなるのか、変態天才ヘモやんは・・・そして運命の女、ゆず子は幸せになれるのか・・・ いろいろな伏線を引き連れて、怒涛の最終章へ・・・・ おおお、む、む、む、・・・・・なんじゃこりゃ・・・・。 という印象。 ちょっと、終わり方が好きじゃなかったなぁ。 以前の粘膜シリーズと違って、主人公を取り巻く人たちがみんな愛すべき存在だったから、ハッピーエンドを願ってしまっていた。飴村先生が考えることは、僕の様な凡人の斜め上をゆく。 間違いなく、粘膜シリーズ最高傑作だと思う。 エロ、ロマンス、グロ、戦争、コメディ、ミステリーのバランスが絶妙だ。 ハラハラ、エログロ、抱腹絶倒、超ド級エンターテインメント小説、かなりオススメ。