「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

ぼっけえ、きょうてえ

ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)/岩井 志麻子
¥500
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タイトルが怖い。 絵が怖い。 きょうてえという響きが怖い。 岡山の遊女がお客さんに語りかける一人称スタイルの怪談。 明治初旬の日本ってこんなに貧しかったのか、という衝撃と、倫理観が時代ごとに移り変わっていることの恐怖。 本当に救いようがない彼女の身の上話、めちゃくちゃ落ち込んでいる人が読むと「自分の人生捨てたもんじゃないな」と開き直れるんじゃないかと思うほど。 岡山弁の響きが粘着質で、下品で、不気味で、おどろおどろしい・・・。 まさに怪談向けのエクリチュール。 表題作以外は、あんまり面白くない。 日常に潜む細かい恐怖というか、小さな裏切りというか、繊細な怪談。 あんまり好みじゃなかった。