「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

出口なし

出口なし (角川ホラー文庫)/藤 ダリオ
¥620
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一年で何冊読んでんだ? これもまたCUBE系の話。 映画好きの専門学生があこがれの女の子とのデートの帰り道、記憶をなくし、気が付いたら他の男女と共に個室に・・・。 帰るにはクイズに正解し、ゲームに勝つしかない! この話の新しいところは、同じ境遇の人たちが5グループあること。 彼らと交信して、正解を探すところは奇抜なアイデア。 そして極限状態の中で騙し合い殺人にまで発展する様は、人間の暗部をうまく描いている。 あこがれの彼女の残虐性があらわになっていく過程は、読んでいる方もすごく切なくなってくる。 そして、最終的に待ち構えている大きなゲームがゴールなのだけども、その勝敗のつき方がまた、無茶苦茶で面白い。 と、まぁ、CUBE系に付け足した二つの要素はすごく良い視点だと思うけど、肝心のクイズが最悪。 あなたはだーれ? という抽象的で無限に答えがある問いに対してたったひとつ応えなくてはならないし、それが答えでなきゃならない蓋然性がまるでない。 だから、読んでいる方は全くクイズにのめりこめない。 このクイズがもっとウィットに富んでいたら、良質なエンターテインメントになったのに。 おしいなぁ。