「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

街場の大学論

街場の大学論 ウチダ式教育再生 (角川文庫)/内田 樹
¥660
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さすがに、内田先生に偏り過ぎだなと自分でも思う。 でも、仕事で疲れた頭でもさらっと読めて、知的発見を得られる気分になる本ってそうそう多くない中で内田先生に本はほとんどはずれがないから、つい手に取ってしまう。 内田先生の大学論とか教育論はいたるところで語られているから、今回の本もそう真新しいことはなかった。 でも、共感できるところはいっぱいあった。 ①大学のダウンサイジング 大学生の人口が減っているのに、大学の定員は増え続けているから教育の質が落ちるんだという話。 学生を集めるには買い手が安ーくするしかない。つまり、どんなでも良いから受け入れるよんと言ってバカな大学生を量産させている。 さらに、経済原理を採用した大学なんて、経済合理主義をまるまる全て容認してしまっているようで、高等教育機関として、どうなの?自分を見つめなおすときなんじゃないの?という話にもなる。 それに、合理的判断として、他校がやってて人気を博したら利益を独占される前に自分たちもやろうということになって、その結果、大学の独自性が失われる危険性もあるよね。 利益利益だけ考えたら教育ってできない。難しい話。 ②学力低下 日本の大学性は遊んでばかりで馬鹿だから海外の人材を受け入れる、みたいな流れが今大企業の中であるみたい。即戦力がほしい、っていう要望が強いから。でも、内田先生が言うに、企業にも若者を育てるという社会的責任が課せられている、とのこと。 確かに、その通りだと思う。 企業っていうのも結局は人間の集団なわけで、その人たちも昔は使えない人たちだったんだろう。そりゃ、最初から給料以上に稼ぐ人なんていないんだから。でも長い目で育てられて今があるんだから、それを次の世代にも継がなきゃ。自分たちはもらうだけもらって、次の世代には返さない、なんてことは倫理的に許されない。贈与は人間を人間たらしめる基本動作である。もう所与として、授かってしまっているのだから、隣人に与えていきましょうよ。等価交換ではなくオーバーアチーブでもってね! うん。 ちょっと連続して内田先生の本を読み過ぎたから、ちょっと他の本を読もう。