「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

化身

化身/宮ノ川 顕
¥1,575
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これも、昨日の『嘘神』同様ホラー小説。

しかも、日本ホラー小説大賞を受賞している!

内容は大賞を受賞した「化身」と「雷魚」「幸せという名のインコ」の3作が載っている。

「化身」は独特な世界観。ありえないことがさらっと書かれているんだけど、妙に説得力がある。

壁に覆われていて脱出不可能な池に落ちた男。生きるために狩りをする。水に潜る。

毎日毎日、生命としての活動を続けていくうちに、環境に順応していく。

手に水かきができるくらいは水泳やっている人なら誰にでも経験はあるだろうけど、この世界での進化はそんなものでは終わらない。肌が苔に覆われる、足がくっついて尾びれになる、夜中息継ぎしないでも水中で寝れるようになる、などありえないことが起こるんだけど、「あ、そうなるよね」みたいに納得している自分がいる。 不思議な説得力に、色を感じさせる文章、なかなか読みごたえのある作品だった。

雷魚」「幸せという名のインコ」はありがちな話。

言ってしまえば「世にも奇妙な物語」で見たことがあるんじゃないか、くらいの話、普通。

まぁ、仕事のある日でも一日でさらっと読めちゃう。

文庫なら良いけど、単行本で買うにはちと高いよなあ。