「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

嘘神

嘘神 (角川ホラー文庫)/三田村 志郎
¥700
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ホラー小説。

ちなみに僕はホラー小説が好きだ。ホラー小説しか読みたくない時期すら、ある。

でも霊的なものは嫌い。寝られなくなるから。

人間の本性を抉るような作品が好き。

人間の怖さを素直に描く作品が好きなのだ。

だから、日本ホラー小説大賞はできるだけチェックしようとしている。(霊的な怖さのやつは読まない)

この『嘘神』も16回目の長編賞を受賞していて、かつ霊的な作品ではなさそうなので読んでみた。

内容は密室に若い男女6人が閉じ込められる。理由は分からない。「嘘神」となのる何者かから七つのルールを告げられる。そこに脱出の手がかりが隠されている。

この設定・・・超ありがちだ。CUBEと同じ。SAWも似たような始まり方だった。

こんなに少ない登場人物で狭い空間と限られた道具だけで、残酷な人間の姿をさらけ出す様は、最初に観た者にとっては衝撃であったろうと思う・・・がもうそんな設定聞きあきているくらいある。

パクられまくっている。

しかし、この作品には一点、面白いひっかけがある。

それは、「嘘神」という言葉に関係する。

あんまり説明するとつまらなくなっちゃうから、言わないけど、最後は「あ!やられた!」って感じになった。

キャラクターの性格も怖いくらい単純だし、心理描写も、特筆すべきところは見当たらない。

最後の締めの希望に満ち溢れた感じも幼い作文のような印象を残す。

でも、このゲームのからくりは結構面白かった。見事に騙す書き方になっていた。

全体として読みやすいし、まぁまぁな作品だった。

暇つぶしには良いかも!

うーん、でも昔の受賞作『黒い家』と比べちゃうと、まさに月とすっぽんだなぁ。

やっぱり、貴志祐介って天才なんだなぁ。