「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

困難な成熟/内田樹

最近仕事を抑え気味の内田先生。いつも「誰も言わなそうなこと」を選択的に語ってきた内田先生ですが、最近は「誰も言わない」が正しいことではなく、「誰も言わない」不確かなことを語るようになってきた気がします。この本でも、かなり極端な語り口が多くていつも中庸の道を歩んできた内田先生らしさが失われてきたような気がします。すでにこれだけの本を出してきたので、内田先生に求められている時代の役割が変わってき、それを感じ取りわざとこういう言い方をしているのでしょうか。

責任、労働、大人、愛国など編集者の質問に対しての回答という形で進む本です。読みやすいですが、かつてほどの勢いは失ってしまったような気がして残念です。