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「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

お金持ちになれる黄金の羽の拾い方2015

ビジネス本

橘玲の小説のファンなのでAmazonからこの本を推薦され、買ってしまいました。 まさにしょうもない本です。

お金を増やす、または消費を減らすテクニックが不動産、保険、税務などに分けて丁寧に説明されています。ただ、右も左も分からない学生や新成人に向けられているような”当たり前”の内容ばかりで、”大人”が読む本ではありません。

”保険は保険会社に経費をこんなに取られている”とか”家は買った後価値が0になるから投資ではない!”とか”法人はこんな優遇税制がある”とか。社会人一年生の一人暮らしHowto本としては良いかもしれませんが・・・。

家の議論になると必ず、持ち家と賃貸どちらが”得”かという議論になるのですが、もうそんな議論は意味ないと思うのです。そういう議論が大好きな著者だって、全て経済合理的に行動している訳ではないでしょう。結婚する場合と独身を貫く場合、どちらが合理的か計算しましたか?奥さんに花束を買う時の効用とその時の円の価値を考慮しましたか?子供は2人よりも3人の方が良くて、増えれば増えるほど単位当たりの育児コストが下がって合理的だ、なんて議論しますか?いつか奢ってくれそうな人を選択的に友達になってきましたか?何人の友達とどれくらいの交流を持てば細小のコストで自分の生産性をアップできるか計算しましたか?しないでしょう?なぜなら、恋人や家族や友人は経済合理性を超えたものだからです。

家だってそうなんですよ。損得ではない。人間には帰る家が必要なのです。引っ越しを繰り返す人間と、同じところに棲み続ける人間では絶対に幸福度と寿命が違う。賃貸に住んでても何とも思わないよ、という人はきっと実家に帰る家があるのです。人間にはちゃんと帰れる家が必要。なにかあってもいざとなれば家に帰れるという安心感が、人間の全ての活動の基盤になっている。私はそう思う。

帰れる実家も地元も故郷もない私が、まっさき家を買ったのはそういう理由からです。家の問題は、命、恋人、家族、友人の問題と同列であり、損得の問題ではないのです。