「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

変身/カフカ

グラスホッパー』があまりに雑な出来だったので、本格的な世界文学が読みたいと思いカフカに手を出しました。ドストエフスキーの様な重厚な文体かと想像していたのですが、意外と軽妙洒脱な文体で、さらっと読めます。

この小説にはどんな社会風刺も見いだしてはならない、とカフカが言ったとか。ただ、あるセールスマンが甲虫のような生き物に変身し、家族に蔑まれ、死んでいく物語。起きたら甲虫になっているというのも意味不明ですが、りんごが身体に食い込むというのもどんな状態なのか、なかなか理解が難しいところです。

この本の解釈は死ぬほど世間で書かれていますが、私が一番、驚いたのは、ヨーロッパの先進国(プラハ)でも、かつては貧しく家族が寄り添って暮らし、身を滅ぼすほどの重労働を課せられていた時代があったというところです。丁度、フィリピン出張でアジアの貧困の根深さを目の当たりにし、落ち込んでいたところだったので、一筋の光明を見た気がしました。

まぁ、物語とは全ッ然関係ないですけど。