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「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

『不毛地帯 1巻』/山崎豊子

小説

初めての山崎豊子。名前はもちろん、知っていたし、ドラマも何個かみたことありましたが、本を手に取るのは初めてです。この話の主人公は壱岐正、モデルは瀬島龍三です。当時のエリート養成学校である陸軍士官学校から最年少で大本営参謀中佐になった男が30代で終戦を経験し、11年間のシベリア抑留を経て、伊藤忠商事の会長まで上り詰める話です。

全然私と経歴は違いますが、商社の世界に全く畑の違う世界から挑んで成功した先人の人生とはどんなものか見てみたかったのです。

一巻は終戦からシベリア抑留の話がメインです。戦時中の政府の話や、悲惨な戦場の話は、いろんな本で読みましたが、戦後シベリア抑留で日本人がどんな扱いを受けていたのか、という話は読んだことがありませんでした。(ミュージカル異国の丘は観ましたが)

日本人同士でかくもいがみ合っていたのか、こんな理不尽な扱いを受けて死んでいった人達がいるのか、とページをめくるたびにショッキングな描写が続きます。ここまで知らべ挙げた山崎豊子の取材力も凄まじいものがありますが、小説としても非常に読みやすいです。壱岐正という男を実直で親しみやすい人物として描けており、一緒に苦労を共にしている様な気持ちになってきます。

あらゆる拷問を耐えてきた壱岐が、初めての商社の仕事に戸惑い消沈していく様は、とてもかわいらしい。こんな豪傑でも、苦労するのだから、私など相当な努力を覚悟しなければならないなと思いました。

どんどん読み進めます。