「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

アリス殺し/小林泰三

天才作家、小林泰三先生の最新作です。本格ミステリーと銘打ってありますが、ファンタジーなので基本なんでもあり。だから”本格”ではありません。ただし、声を出して笑ってしまうくらい面白いです。

言葉の多義性をついた勘違いや、ツッコミ。まるで意思が通じないヘンテコな世界観は中毒性があります。

舞台は『不思議の国のアリス』の夢を見る大学生、栗栖川亜里の現実と夢を行ったり来たりして進みます。不思議の国のアリスのオマージュなので、原作を知らないとよくわからないところがあるかもしれません。

「スナークはブージャムだった」

といきなり主人公が納得するところで、何も知らない読者は置いてけぼりになってしまいます。知らない方はググりながら読むとついていけると思います。