「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

おがみむし

『姉飼』を生み出したエログロホラー界の巨人、遠藤徹先生のホラー小説。

と思いきや、志向はホラーではなく、読書体験の解体である、ようです。読んでいると頭が狂ってくるのが分かります。『ドグラ・マグラ』以上の奇書です。

巻末の解説にもあるのですが、ポストモダン小説、と呼ばれる類い、らしいです。この本は、著者が練り上げたストーリーを読者が読み込む、という一方的で完成された読書体験にでは捉えきれません。著者が、あれこれ頭の中で寄り道している足跡をこちらから積極的に辿っていくような読書が必要なのです。比喩が比喩でなくなり、物語の本筋に変わっていく違和感を不快ととるか、快楽ととるか。

こんなの読まされる身にもなってくれよ、と本を投げ出すか。 遠藤徹先生の頭の中を覗く快楽に溺れるか。

99.9%の人は前者だと思いますが、変わった本を読みたい方はどうぞ。

この本はまるで著者の脳みその中を徒手空拳でかき分け、カヌーで遡り、ジェットコースターで駆け抜けようとしたら脳漿の海で窒息死!

と言う様な、雰囲気です。 興味がわいたら、立ち読みでもしてみて下さい。