「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

女子が男子に読んでほしい小説『陽だまりの彼女』/越谷オサム

いま、この本が女子が男子に読んでほしい小説第一位らしいです。大どんでん返しの後、究極のハッピーエンドへ到達する、完全無欠の恋愛小説、とめちゃくちゃ大風呂敷で宣伝され、さらに松本潤上野樹里で映画化されるっていうじゃないですか。これは読まない手はない、と思い、買ったその日に読んでしまいました。

以下、ネタバレ含みます。これから本を読む、もしくは映画を見ようと思っている方は、この記事は読まないでください。物語の楽しみ方が致命的に損なわれる可能性があります。

ーーーーー以下 ネタバレ注意ーーーーーーー

この本を男子に読んでほしいと思う女子がいるのでしょうか? いるとしたら、それは女子ではない!だってこの本に女子は登場しないから。 女子でなく、猫だ。猫しか登場しない。 だから、猫が男子に読んでほしい小説なのだ。

読んでいない方のために、結論を全てぶちまけると、

中学生の時の転校生、真緒はもの凄く頭が悪かった ↓ でも、主人公はちょっと好きで面倒みていた ↓ 自分が引っ越したせいで会えなくなる ↓ 社会人になってから取引先でばりばり働く真緒に再会 ↓ いちゃいちゃ、ラブラブ生活 ↓ なんだか様子がおかしい、体調悪そう ↓ 真緒が消える ↓ 真緒は猫だった、猫だから死期が近づくと消えてしまう ↓ 違う猫を真緒と思い、前向きに生きよう

超簡単にまとめるとこんな話でした。 これが完全無欠の恋愛小説!?いやいや、猫なんだよ? 猫に愛情を向けるのはいっこうに構わないけど、この話は、猫を人間の女性として愛でていた。夜眠らせないほど、アレしてやるとか、向こうから積極的に求めてくる、とか性に関するところにも抜かりがなかった。つまり、主人公は猫と・・・・っていうことになる。

獣姦ものって言ったら、ものすごく怒られそうだけど、つまりはそういうことなんだと思います。猫を気持ち悪いほど愛した男の話、そしてこれからも猫を一途に愛し続ける話。だから、なぜ、この本を男子に読んでほしいのかさっぱり分からないのです。伏線がすごいとか二度読むとさらに切ないとかの感想を持つ人がいますが、猫に対する倒錯した愛情を何度も読む気にならないし、猫が人間化するっているファンタジーなんだから設定も自由にできるし伏線も糞もありません。

本当に女子が男子にこれを読んでほしいと思っているとしたら、男は猫でも愛でてろっていうことか、私が女子と思っている人は本当は猫であるか、のどちらかでしょう。