「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

知らずに読むと後悔するホラー小説『魔性の子』/小野不由美

新潮社で特設サイトが作られたり、ダ・ヴィンチで特集を組まれたりと、何かと話題の小野不由美の『十二国記シリーズ』。今まで全然触れていないので、最初から追いかけることにしました。

シリーズの始まりは、この『魔性の子』です。ファンタジーかと思って読み始めると、学園もので、ちょっと期待はずれ。かと思いきや、何やら不気味な空気が漂い始めます。 舞台は男子校。教生としてやってきた主人公が受け持ったクラスには「異質」な存在感をもつ生徒がいた。彼をめぐって繰り広げられる集団狂気と大量殺戮。

1/3くらい読んで気づきました。「これは、ファンタジーじゃない、ホラーだ」と。 しかも、結構ハードな・・・。 お陰で、3日間は電気を消して寝られませんでした。

目を開けると扉の前に不気味な人影が見えるんじゃないか、と。そういった不安を植え付けてくる良質なホラー小説です。

死の規模は大きくなっていくほど、恐怖は減っていくという不思議な展開になっているため、序盤の方が楽しめるかもしれません。あと、主人公が大学生にしては大人び過ぎているし、教育実習生である必要もない気がしました。さらに、男子校という設定の意味もよく分かりませんでした。男子生徒が男性教諭に懐いて、実験準備室に遊びにくる構図を描こうと思うのは女性作家特有の発想かもしれません。

続きも読みます。