「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

滅びの園 恒川光太郎

滅びの園 (幽BOOKS)

滅びの園 (幽BOOKS)


常世界に不思議を織り交ぜるTHE恒川ワールド全開の物語です。パワハラ上司に愛のない妻、くだらない日常生活に嫌気がさした鈴上が迷い込んだのはおとぎ話のような世界。山に入れば貴重品が落ちていて、大金が手に入る。可愛い喫茶店で紅茶を飲んだり、ご近所さんと談笑したり。街には犯罪と言うものがないし、悪人は存在しない。可愛い奥さんと娘を設けて祭りに参加したり、平穏に暮らす日々。鉄道一本で完結した街で、豊かな資源はどこからやってくるのか、お金は誰が必要としているのか、ちょっとした矛盾も吹き飛ぶ幸せな生活。


一方、鈴上が姿を消した地球ではプーニーという白くてぷにぷにした生き物が繁殖し、人類は滅亡の危機に瀕している。プーニーに抵抗する人類、プーニーをコントロールする能力者が出てきてプーニーと鈴上が迷い込んだ世界の関連が明らかになる。果たして人類はプーニーから世界を救えるのか。


世界観はとても魅力的ですが、個人的にはちょっと物足りなかった気がします。「金色機械」の方がなぜかワクワクが止まらなかったのは、完全なる異世界よりも通常世界+プーニーの世界の方に多くページが割かれていたせいかもしれません。


にしても、恒川光太郎の頭の中ってすごいですね。