「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

ルビンの壺が割れた

ルビンの壺が割れた

ルビンの壺が割れた

アメトークで話題になった本です。

文章はすべて、SNSのメールのやりとりなのでさらさら読めます。坂本裕二の「往復書簡 初恋と不倫」のような体裁です。

SNSで昔付き合っていた女性を数十年ぶりに見つけてメッセージをおくる男。そのメッセージに微妙に話をそらしながら受け答えするつれない女性。という構造。

なんで真摯に向き合ってくる昔の男に対して、こんなに冷たくあしらったりするんだろうと読者は訝ります。「男の恋は名前を付けて保存、女の恋は上書き保存」とはよく言ったもんだ、とか思いながら。ところがドッコイ、読み進めるとこの不可解な空気感の正体が分かります。

最後のオチも含めて、誰でも面白く読める良い本です。個人的にはオチの強さは結構どうでもよくて、メッセージでお互いの記憶を確認しあう作業、という物語が結構好きでした。