「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

代償 伊岡瞬

代償 (角川文庫)

代償 (角川文庫)

幸せな家庭で恵まれた生活をおくる主人公、圭輔。その幸せに不穏な空気をもたらす親戚の達也。
この二人の幼少期~青年時代のお話です。


幼少期は圭輔が達也によって不幸のどん底に落とされる様が丁寧に描かれます。これをどうひっくり返すのだろうと、読者は物語に夢中になります。さらに青年期に入り、容疑者となった達也を弁護する圭輔という熱い展開になりますが、その構図から向けられる達也の刃に唖然とします。「そのやり方があったか!」と悔しくて本をたたきつけることでしょう。


ただし、物語のクライマックスはここまで。事件の真相や、圭輔の仕返しにはそう驚くような展開もなく、尻すぼみしてしまいました。小栗旬主演でHuluでドラマ化されているようですが、あまり話題にならなかったですね。