「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

狂気の『セッション』

セッション [Blu-ray]

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ドラムからしばらく離れていますが、彼女が強く勧めてくれたので観ました。

アメリカ一の音楽学校で、スパルタ教育で成果を出し続ける先生と音楽の世界に没頭していく学生の狂気に満ちた世界を描いた作品。


私のドラムの先生が「ありえない」と言っていた通り、交通事故の後、血みどろでドラムを叩き続ける人なんていません。本当に人間の神経は繊細なもので、ちょっとの傷、ちょっとの疲れが、リズムに影響を与える度合いをなめちゃいけません。あんなじゃ叩けるはずがない。

まぁ、それは置いておいても、スパルタ教育で追い込まないと真の芸術は生まれない、という主張と、自主的にのびのび体験させることが一番なんだ、という主張のぶつかり合いが、この映画の論評の中で行われています。

私は勉強も音楽も仕事ものびのびさせてもらったタイプなのですが、どの才能も花開きませんでした。もしかすると超スパルタ教育を受けていたら、何かとびぬけた人間になっていたのでしょうか。

たしかに、一芸で食っていくためには、尋常ではない努力が必要と思います。それを他律的に行うことも、生存競争上、なくはない戦略なのかもしれません。自分では絶対やらないけれど、やらされたことによって、見えてくるものってあるのかもしれません。仕事もいやいややっている内に5年くらいたつと、なんだかおもしろくなってきたりしますし。めちゃくちゃ嫌だったスイミングスクールも大人になってみると行っておいてよかったなと思ったり。

私のドラムに関しては、ゆるーくやらせてもらったせいか、もういいか、となってしまいました。あれをもっと強制的に練習させられていたらもっとはまっていたのでしょうか。人生は二つとないので、比べられないですね。