「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

どちらも最高!映画『君の膵臓を食べたい』と小説『君の膵臓を食べたい』

浜辺美波主演の映画『君の膵臓を食べたい』があまりに衝撃的だったので、同じ勢いで小説『君の膵臓を食べたい』を一気読みしました。


仕事のストレス、家庭の不和が吹き飛ぶくらい、どちらも素晴らしい作品でした。キラキラした青春を追体験でき、恋愛の一番楽しい時期を思い出させ、今この一瞬を生きようと強く思わせてくれました。


映画と小説の違いは色々なところで語られているけれども、私が一番重要だと感じたのは「僕」のノリです。小説の僕は「オタクっぽい」ノリで結構よく喋る。なんだかんだ言って色々な人に合わせて生きていくことができる人。でも映画の僕は「お前らとは違うから」オーラを出しまくり、とにかく暗い。なので、彼女との会話のノリも大分違います。小説は掛け合いのテンポが良いので夫婦漫才のような、友達夫婦のような空気感が最初から出ています。でも映画は最後の最後まで「心を開けない僕」、「誰とも付き合えない僕」でした。


逆にそれが良かった。だから12年間の空白が必要だった。冴えない小栗旬がいた。
そこでミスチルの「himawari」の歌詞が生きてきます。

諦めること
妥協すること
誰かにあわせて生きること
考えてる風でいて
実はそんなに深く考えていやしないこと
思いを飲み込む美学と
自分を言いくるめて
実際は面倒臭いことから逃げるようにして
邪にただ生きてる


人生で一番泣いた映画は『八日目の蝉』ですが、それに匹敵するくらい映画館でボロボロ泣きました。浜辺美波の透明感も伝説的ですが、北村匠海の演技が素晴らしかった。

小説ばかり読んで「お前らとは違うんだオーラ」を出してなんとか自分を取り繕ってるけど、本当は誰かと一緒に騒いだり笑ったりしたい、でも自分から行って拒否されたら傷つくから、そんな相手が向こうから来るのをただ待っているクソみたいな青春。それが僕。まさに自分を見ているようでした。映画のレビューを見てみると「自分をみているようだった」と書き込んでいるオッサンが沢山いたので、みんな暗い青春を送っていたのですね。そんな暗い青春を明るい桜色で上書き保存してくれるような優しい物語でした。高校生からおっさんまで絶対に見て欲しい作品です。