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「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

欅坂46の衝撃

今までアイドル好きを心の底からバカにしていました。

「あっちゃんだけは他のアイドルと違う」
バカか。

「少女時代は全員の振り付けが少しづつ違う」
ほざけ。

「ベビーメタルは世界で一番売れている日本のアーティスト」
ぶっとばすぞ。


そう思っていました。
アイドルに関する言説は語れば語るほど惨めで愚かで汚く、その人の品性まで疑うべきだと。
だって、彼らはなんだかんだ上辺で繕って音楽性とか表現力とか言ってるいるけれども、その実、年端もゆかない少女たちを性的な目でみて、興奮を覚えているだけなのだ。


だがしかし、欅坂46の動画を見て一瞬で価値観が崩れ去った。


欅坂46 サイレントマジョリティ


すげぇ。



何これ。


どうなってんの?



なにこの目力?



この迫力。




すごいものを見てしまった。




会社の通勤時間。SmartNewsでSONGSに出た欅坂46が話題になっていたので、そんなに良いのかとちょっと覗いたのが間違いだった。朝っぱらから30歳のおっさんが彼女たちのパフォーマンスを観ておんおん鳴いてしまった。マジで。朝の7時。


このMVの完成度の高さよ。

まず場所。渋谷の工事現場。バックにあるのはCATの320ERR後方小旋回油圧ショベル。クレーンはちょっと分からないけど結構古いモデル。この現場に平均年齢16,7歳の少女たちがいるというシチュエーションが凄い。しかも彼女たちが歌って踊るのだからたまらない。


1番のサビ、センター平手友梨奈のモーゼと言われている場面。4分の3拍子を挟んで4分の4拍子という玄人向けのフィルイン。最後の4拍目にスネアの音と右手を振りかざすタイミングが完全にマッチし、次のサビ一拍目で左手を後ろに回す。このシーンだけで逝きそうになる。さらに顔への光の当たり方が絶妙。もう少し暗くてもダメ。明るくてもダメ。遅くても早くてもダメ。あのタイミングであのくらい顔が隠れるのがカッコイイ。ショートカットの毛先は意志を持っているかのように融通無碍に暴れわまる。そして次々に他のメンバーが前にでて一斉に踊るシーン。この振り付けがキレッキレで痺れる。”夢を追うことは時には孤独にもなるよ 新しい道を進むんだ”という歌詞が疲れたサラリーマンの心に突き刺さる。


さらに2番のサビ、モーゼほどのインパクトはないかなと思ったら大間違い。”見栄やプライドの鎖に繋がれたようなつまらない大人は置いていけ”という刺激的な歌詞とひたむきに踊りの練習を続ける少女たちの画。しかも渋谷のホームで踊っちゃう。渋谷のホームで踊ることほど「つまらない大人を置いていけ」というメッセージを直情的に訴える画は存在しないと思う。ここでも涙を抑えられない。


そして大サビから最後のサビの入り。平手の挙手のタイミング。なんなんだろう。何拍目と数えていたらこのタイミングでは手は上がらない。とっさに上がってしまったとしか説明がつかない。そして最後のキレッキレのダンスとちょっとだけ口角の上がったキメ顔。めっちゃくちゃカッコイイ。


何よりこの曲の強い意志を表しているのがコード進行。もはや、私には全く説明ができない。カポ四つでEm調としても解釈してもサビ前のF Asus4 Gsus4からのC#mというのはさっぱりわからない。Am調だとするとB♭ Dsus4 Csus4からのF#mか。うん意味がわからない。聞いたことないわ。

ドミナントからトニックであるAmに行くと見せかけてマイナーを取ったAに行くとみせかけて、そこはあえて短調のF#mということか。でもAsus4 Gsus4という展開と変速リズムでもう理論とかそういう問題ではなくなっている気がする。


もうそんな決まり切ったロジックはいらない!
私たちは私たちの感じたように表現する!
そんなつまらない解釈捨ててしまえ!
という意志が視線とメロディと振り付けとリズムとコード進行、全て現れている最高峰の表現だと思います。


てちだけは他のアイドルと次元が違う。
欅坂の踊りにはストーリーがある。
再生回数5500万回は歴史的快挙と誇って良い。


周囲にそんなことばかり言っている私はすっかりアイドルファンです。

CD買って、ファンクラブ入って、握手会行こうと思います。