「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

あなたの価値観をぶっ壊す解体小説!『王国』/中村文則

私の価値観をぶっ壊した小説『掏摸』の姉妹小説です。

王国 (河出文庫 な)

王国 (河出文庫 な)

社会的要人の弱みを作り出す闇の仕事に従事する主人公、ユリカ。
バックで対峙するのは化物・木崎。
世の中を思うように操る木崎に対して勝ち目のない戦いを挑むユリカ。
彼女は本当に大切なものを手にすることが出来るのか。



『掏摸』で価値観を破壊され、『王国』で粉々にされました。『掏摸』を読んだ次の日に、徹夜で完読です。すさまじい力を持った小説です。ものすごく面白いんだけど、この本が浸透し、この価値観が蔓延しても恐ろしいと思う。小説と現実の区別をつけながら、小説が現実に及ぼす力を見くびらない大人に読んでほしい本です。

「…でも、何かを達成したとしても、あなたは虚しさを感じるだけでしょう?」
「お前は何もわかっていない」
木崎が突然笑う。
「その時は、虚しさを楽しめばいいだろう。…それがこの世界の答えだ」