「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

ニュースのなぜ?は世界史に学べ 日本人が知らない100の疑問

ニュースの

ニュースの"なぜ?"は世界史に学べ 日本人が知らない100の疑問 (SB新書)

世界情勢を分かりやすく語ることってとても気持ち良いんです。

あぁ、ロシアとウクライナの仲が悪いわけ?それは天然ガスの利権が絡んでるんだよ。
アメリカがイラク戦争に突入したわけ?あぁ、あれは軍事産業の思惑が働いたんだね。


自分だけがクリアカットに世界を説明できる喜び。この万能感を味わうと大人でもなかなか抜け出せなくなってしまいます。でも本当は、そんなに簡単には世の中の動きを説明することはできない。たしかに彼らが語る話も数ある原因の中の一つではあるかもしれない。でも、その一つだけを取り出して世の中をわかったような顔をするのは、大切なものを見失いすぎな気がする。


そんなことを思わせる本です。ある意味、解りやすい。でも、この本を読んで世界史や現在の世界の在り方をわかった気になってはまずい。


国というのは主体ではない。ロシアがとか、アメリカが、と語るのは容易いが、アメリカという主体は存在しない。そこにはアメリカを主導している大統領がおり、国会議員がおり、活動を支える企業があり、彼らを選出した国民がおり、彼らが動くことを「アメリカが動く」と呼んでいるだけだ。そして彼らの行動原理を「資源のため」とか「もともと宗教観が違うから」と一言で片付けて良いものだろうか。


中学生高校生なら良い。世の中の流れをだいたいつかむためには、資源の奪い合いとして世界史を見る、とかユダヤ資本の流れで歴史を追ってみるという作業は面白いかもしれない。でも、大の大人がそんなことで世界をわかった気になってはいけない。


大きな物語を追って満足していてはいけない。世の中はもっと多様で非論理的で拡散的なのだ。


子供向けの本です。大人は読んじゃダメ!