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「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

失恋を奏でよ

音楽 日記

"No Music No Life"なのではなく"No Life No Music"だと私は思っています。


音楽がないと生きていけないんじゃなくて、まず音楽がありその周縁に人生がある。私はそう思う。


音楽はただそれだけで素晴らしいけれども、その音楽をもっと強力なものにしてくれるのがシチュエーションです。仕事で失敗した帰り道に聞く慰めるような美しい音、デートに向かう時の気持ちを高揚させるノリノリのテンポ。どれも音楽は素晴らしい。


でも本当に、心をえぐり取られるほどのエモーションを与えてくれるのはやっぱり失恋の時の音楽だと思います。人生が音楽に浸るために存在するとすれば、人生は失恋すればするほどカラフルになる。エモーションで満たされる。人生は失恋するために存する。



そうです。先日、失恋をしました。だって既婚者だもん、私。恋を成就させるわけにはいかないもの。



ほんの偶然で知り合った女性。しかも一回しか会っていない。デートもしていない。LINEもしていない。でも心をごっそり奪われる素晴らしい人だった。もっとお互いのことを知って仲良くなりたいけども、大人になるとそういう訳にはいかないんだよね。



大人は恋を心にしまい、音楽に昇華させるしかないのだ。





かなで




この演奏は本当に素晴らしい。奇跡としか言い様がない。玉置さんの声の深みも恐ろしいが、大橋さんも負けていない。ただ、玉置浩二の技量はプロとか上手いとか、そういうレベルを超えている。大サビ後からラストに向かうときの玉置さんの叫び、さらに「遠く君の街へ届けよう」のハモリは単三度下のメロディが要塞のような基礎を築き、主旋律を標高4000mまで押し上げている。感情量が爆発的なのだ。



君が僕の前に現れた日から
何もかもが違く見えたんだ
朝も光も涙も歌う声も
君が輝きをくれたんだ

スキマスイッチ 奏



音楽の素晴らしさはその一回性の刹那に宿る。人生の出会いも同じなんじゃないだろうか。こうやって人生のシチュエーションと音楽がマッチした時、「生きること」のあまりの素晴らしさに私は茫然とする。