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「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

存在と時間 哲学探求1 永井均

人文科学

存在と時間 ――哲学探究1

存在と時間 ――哲学探究1

学生時代、ウィトゲンシュタイン入門を読んだことがあり、名前だけは知っていた永井均

この人の問題意識にひたすら付き合わされる地獄のような本です。

果たして永井均の問題意識とは何か、ということを延々といろいろな角度から、いろいろな比喩を用いながら、いろいろな場合わけをしながら、くどすぎてヘドが出るくらいダラダラ続きます。

このテーマを一言で表すのは大変難しいのですが、強いて言うなら「なぜ私の意識はこのような形で、私にしか知覚できないのか」という不思議さについてです。

私の意識が次の瞬間から安倍晋三になったら、それは私なのか安倍晋三なのか、と言った問題に真剣に真っ向から向き合う本です。正直、狂人の所業です。一つのコラムくらいなら面白いですが、一冊まるまるは普通の人間にはついていけません。頭がおかしいんだと思います。もちろん悪い意味で。もう、それを「私」と決めたんだから、いいじゃん!っていうツッコミが頭の中で1000回鳴り響きましたが、永井均は筆を止める気はありません。タイトルに1とあるので、続きもあります。たぶん、永遠に続くと思います。もう付き合うのはやめましょう。

永井均の問題意識の深みについていくと地獄ですが、入り口のところだけを体感するのは、なかなか面白いと思います。最初の2・3章を読んで、この世界の不思議を共有するくらいにしておきましょう。