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「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

熟年夫婦に読み聞かせたい小説「未成年」

小説

未成年 (新潮クレスト・ブックス)

未成年 (新潮クレスト・ブックス)

『贖罪』という英文学史に残る傑作を残した作家、イアン・マキューアンの最新翻訳本。『贖罪』の素晴らしさは下記事の通りです。

http://nanikagaaru.hatenablog.com/entry/book/393/


夫婦関係の不和に悩む女性裁判官と宗教的理由により輸血を拒む17歳の少年のお話。エホバの証人を信仰する人々が輸血を拒む背景や、不安定な未成年の心象風景が細やかに描かれた良作、と言いたいところですが、これがなかなか理解し難い小説でした。

というのも、ですね。この主人公の女性裁判官の夫婦関係の不調というのは、いわゆるレスから始まった訳ですよ。ってか、このブログ、レスの話ばっかりですね。レスブログと名前を変えた方が良いな。デスブログはあるけど、レスブログはまだあるまい。まぁいいや。

で、大事なのがここからなのですが、主人公の年齢59歳なんですよ。旦那が60歳。

篠原涼子みたいな主人公なら分かる。アラフォーだけど色気むんむん、みたいな。

吉田羊でもいいや。綺麗だし、まだ行ける。

でも違うの。59歳ですよ!?芸能人で言ったら上沼恵美子だよ。私の母親と同い年だよ!その歳で、レスで悩むとかそんな話あんの!?

さらに、どのくらいの期間レスかと言うと




7週間ですよ。7年じゃないですよ。7ヵ月でもない。

17年でも驚かない。

でも、7週間ですよ、逆にビックリするわ。7週間なんてレスですらないよ。インターバルだよ。魂の充電期間だよ。

そんな短期間のレスで、しかもアラウンド還暦で、夫婦関係が台無しになるほど問題になる!?

もうその導入の部分で、全く感情移入できなくてダメでした。もう文字通り別の人種だなって思っちゃって。


こちとら結婚2年目だけど、余裕で7ヵ月してないからね。余裕で。


20代でも、7週間毎にやってたら、十分ラブラブだと思うよ。

イギリス人ってすごいなと。もうそれしかないです。



この本の感想。
イギリス人はすごい。




彼らって元々結婚相手に求めるものが、安らぎとか経済的安定とじゃなくて、性的快楽の相性とか探究心とかなのかもしれないですね。やり続けることが夫婦関係の前提、みたいな。だから、7週間なくなったっだけで30年以上続いた夫婦関係が崩壊する。

辛いよ、イギリス人。

イギリス人は辛い。

私だったらとっくに離婚されている。とういうか結婚出来ていない。



どうやったらそんなに濃密な夫婦関係を長年維持できるんだろう。

スキンシップかな。食生活かな。お互い知らないところで別の刺激を得ているのかな。

夫婦生活に限らず、同じことを何年も続けるというのは誰でも出来る事ではありません。私の話になりますが、私がブログを始めたのが2010年だから、もう6年続けていることになります。

「ブログを始めて1週間で20000PVを達成した」と言う人はザラにいるけれども、ブログを6年続けている、と言う人を見つけるのは意外と難しい。んじゃないかな?そんなことない?

人間、気づいたらやっていること、やらなくてはいられないものしか何年も継続出来ないものです。

無理に筋トレを始めても、好きでもないゴルフに挑んでも、気が付いたら別のことに時間を使ってしまうもの。

私にとって「やらなくてはいられないもの」は音楽であり、読書であり、ブログ(とAV鑑賞と自家発電)なのだ。

たぶん、これからも誰に頼まれた訳でもないのに、音楽を聴いて、ギターを弾いてドラムを叩くと思う。
本を読んでブログに書くと思う。(そしてビデオを見ながら発電し続ける)
これは、しないではいられないことだから。

そして、しないではいられないこと、に関して、人は才能がある、と呼んでいるんだと思う。どんなに下手でも金にならなくても、あなたは、しないではいられないそのことにかんする天才なんだと私は思う。継続の先にしか結果も感動も生まれないですから。


夫婦の夜の生活も同じなのでは?

しないではいられないことでないと何十年も継続できない、絶対。

私にとってのそれは、奥さんとのそれではなかった。
中には「奥さんとのそれ」が「しないではいられないこと」の人もいるのだろう。

そういう人こそ結婚に向いているのかもしれません。
もしくは、「その人とのそれ」をしないではいられない、という人と結婚すべきなのかもしれない。

何十年も同じ人と同じ事をやり続けた先に驚天動地の感動が待っていたりするんでしょうか。教えて、おじいさんおばあさん。


そんなことを考えているとなんだか落ち込んできました。どんどん自信がなくなってきました。

なにはともあれ、この本は60歳になっても夫婦生活を継続する自信のある人だけが共感できる本です。
お気を付け下さい。