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「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

要領が良い事は良い事じゃない

形容矛盾の様ですが『要領が良い』こと事態は別に良いことではないと私は思っています。『足が速い』のは良いことですが『手が早い』のは良くないのと同じように。『人を殺す才能』があっても良くないのと同じように。『ごはんですよ』はごはんじゃないのと同じように。

という前置きをしたうえで、自分が要領の良い人間であることを告白したいと思います。ちなみに足は遅くて手は早いです。人を殺す才能はないと思います。『ごはんですよ』ではありません。

話は戻して、私はめちゃくちゃ要領が良いです。でも、これは社会的には悪い意味だなと最近しみじみ思います。


要領が良いとはどういうことか

最小限のコストで最大のパフォーマンスを出して、審査をパスすることです。CP(コストパフォーマンス)が高いとでも言うのでしょうか。

何百人が一斉に行う筆記テストってあるでしょ。簿記とか就職試験とか。あれで退席可能時間になって、真っ先に帰る人、あれが要領の良い人です。私です。

最短時間で退席している人は要領の良い人か、完全に分からなくて投げ出した人です。最後まで残っているひとは、ボーダーラインで頑張っているか、自分との闘いにこだわりたいかのどちらかです。

要領の良い人は試験なんて合格ギリギリを狙えば良いと思っています。どんな物事でもそうですが100点を目指そうとするとものすごい労力がかかります。
0点を5点にするのと95点を100点にするのはその労力が何千何万倍も異なることは想像に難くありません。


70点を目指して勉強すれば5時間で済むけれども、80点を目指せば10時間かかる、90点なら30時間、100点なら100時間と勉強にかける時間の効力は逓減していきます。でも、100時間かけて100点を取って試験にパスした人も5時間で70点を取って試験をパスした人も、試験に合格したという事実は同じです。

ここが危ないのです。一度、この要領で最小限の努力で最大のパフォーマンスを挙げてしまうと、ガムシャラに頑張っている人がアホに見えてしまうのです。この快感から抜け出せなくなると、要領良い地獄へ真っ逆さまです。就職して色々な仕事を任されるようになってからも、この思考回路は一定の効果を発揮します。

仕事での要領の良さ

要領の良い人は、上司にタスクを任されたとき、まずはどの辺が最低限のラインなのかを確認します。ここが一番重要です。

どんな資料が必要なのか、どんなフォーマットが良いのか、の前にまずは目的を聞く。上司の命令を鵜呑みにしないのがポイント。目的がこれなら、ここだけやればいいな、と推測して、そこだけやる。他は切り捨てます。

要領が良いとは「重要なこと」と「重要でないこと」を判断し、「重要でないこと」をばっさり切り捨てることとも言えます。

後は「こうしたいなら、これだけで良いですよね」と上を説得する。そうすると言われたまま仕事をするよりも劇的に負担が減ります。同期が100時間とか残業している中で、自分は余裕で定時帰り出来ます。業務が効率化され、会社の人件費も減り、ストレスも減り、みんなハッピーに見える。

だがしかし、仕事というのはそんな簡単なものではありません。

仕事での要領の良さのマズさ

マズいこと1

まず当然ながら評価は下がります。日本の会社にいるおじさま方は長く会社にいる若者が好きです。自分の意見を封殺し、手駒になって働いてくれる部下を求めます。まぁ、それは些末な問題。後で述べますが、経営層がCPの向上ばかりを狙う若者を嫌うのにも、合理的な理由があるのです。

マズいこと2

仕事を長くやっていく上で本当に重要なのは、要領が良いことによって見過ごされる何かの方だったりするのです。70点~100点の間に新たな発見やイノベーションがあり、今まで見過ごしてしまっていた会社を揺るがす致命的なエラーが紛れ込んでいたりするのです。仕事は試験じゃないので、ここまでやれば良いという線引きは定量的には不可能です。本当は点数なんてない。だから、最低限のラインを守ってればOKというものでもないのだ。やればやるだけ意味がある。というか意味を見出さなくてはならない。

要領良い系の人はここのところがめちゃくちゃ苦手なのです。さくっと試験に合格は出来ても、同じこと、一見些末に見えることを徹底的にやってやろうというマインドセットになれない。また「重要なこと」をゼロから生み出すのも大変苦手。

だって、今までずっと与えられたものの中から「何が重要で何が重要でないか」を判断して「重要でないこと」を切り捨て、リソースを一点集中することで成果を出してきたのだから。受験も試験もそれで乗り切ってきたんだから。

マズいこと3

今まで重要でないと思ってきたことを急に持ち出されるのも苦手です。「そういえばあの時の会話でアレにも触れなかったけ?」とか言われると全く覚えがない。だって要領の良い人は「大事なことだけ」に集中して記憶しているので、その他の周辺情報をばっさり切り捨てているから。

少しづつ要領の良い人のことが明るみに出てきたような気がします。そうです、彼らは、というは私の話なのですが、基本的には頭が悪いのです。記憶の容量も小さいし、情報処理能力も低い。自分がマネージメント出来るタスクだけに集中するため、周辺情報をバッサリ切り捨てているのが、彼らの生存戦略です。

一見、「すぐにポイントを理解する奴」に見えます。でも逆に言うと「ポイント以外全く頭に入っていない奴」なのです。こうなると不測の事態に弱い。前提が崩れると重要だと思っていたことが重要でなくなる。重要でないことは全て切り捨てていたから覚えもないし、メモもない。使い物になりません。今ココにあるタスクを集中して処理する能力にパラメーター全振りしているキャラですから。

こういう時に力を発揮するのは、コツコツ言われたことを地道にやっていた要領の悪い奴らです。彼らの頭の中には今まで重要でなかった事項もインプットされている。次に重要なことが何かを考えられる材料を持っている。

要領の悪さの力

要領が悪いというのは一つの力です。不測の事態に対応できる柔軟性を持ち、あらゆる角度から考えられる材料を普段から蓄えているのですから。要領の良い側からみると、普段「あいつどんくせー」と思っているやつから、急に逆転されるわけですから情けない事この上ないです。自分の不甲斐なさに泣きたくなります。

でも私の様な要領の良い人間がすぐに劇的変化を遂げられる訳ではないのです。重要でないことにまで意識を回すキャパもなければ、心の余裕もない、学生の頃からそうして生きてきたのに今更頭の使い方を変えられない。

だからここはチーム力でカバーするしかない。要領の良い人と要領の悪い人。普段力を発揮する人と危機的状況で力を発揮する人。
カツオと中島、ベジータと悟空、ドラえもんのび太、永沢と藤木
彼らが引き合う理由もここにある。

何が言いたかったかというと要領が良すぎて時間が余ってブログばかり更新出来てしまうということです。ブロガーは要領が良い方が良いですね。