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「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

あなたが消えた夜に 中村文則

 

あなたが消えた夜に

あなたが消えた夜に

 

 

出版社に務める友人が”前半のミステリータッチと後半の心情メインのギャップがすごい”と大絶賛していた本です。めちゃくちゃ夢中になります。(プログラミングばかりしていたとか言いながら、めっちゃ本読んでるじゃねぇか)

連続通り魔殺人事件を追うのは、心に傷を抱える刑事、中島とちょっとずれた視点を持つ相棒の女刑事、小橋。目撃者が語る”コートの男”とは何者なのか。なぜ人は人を殺すのか、人間存在の悲しさにせまるミステリーx純文学の傑作です。

物語を読み進めていくと「あなたが消えた夜に」というタイトルの意味が何重にも浮かび上がってきます。「あなたが消えた夜に」・・・なんて切なく、なんて残酷な響きなのだろう。確かに「あなたはいた」のだ、でも「消えてしまった」。初めからいなかったのではない、「あなたはいた」でも「消えた」。あなたが消えたことがどれだけ私の心をかき乱し、不安に陥れるか。

人間の脆さと悲しみを扱いながら、希望を見出そうという姿勢は、あの「永遠の仔」の系譜の物語かと思います。休日、読書に没頭したい人にオススメ。後半は一気読み必至です。