「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

小説

地雷女の見分け方 『幸せスイッチ』/小林泰三

幸せスイッチ (光文社文庫)作者: 小林泰三出版社/メーカー: 光文社発売日: 2015/04/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見るロジカルホラーの名手・小林泰三先生の短編集です。普通、「なんだかわからないもの」に対して人は恐怖を感じます。幽霊…

ストーナー / ジョン・ウィリアムズ

ストーナー作者: ジョン・ウィリアムズ,東江一紀出版社/メーカー: 作品社発売日: 2014/09/28メディア: 単行本この商品を含むブログ (26件) を見る第一回日本翻訳大賞に選ばれ、静かなブームとなっている一冊です。舞台は半世紀以上前のアメリカ。ビジネス街…

葉桜の季節に君を想うということ/歌野晶午

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫) 作者: 歌野晶午 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2007/05 メディア: 文庫 購入: 40人 クリック: 204回 この商品を含むブログ (365件) を見る 世界崩壊系どんでん返し小説で必ず話題になる一冊です。 正直言っ…

異邦の騎士/島田荘司

異邦の騎士 改訂完全版 作者: 島田荘司 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1998/03/13 メディア: 文庫 購入: 9人 クリック: 144回 この商品を含むブログ (90件) を見る とにかく面白い!ぐいぐい引き込まれる!天才だな島田荘司は。 浮世離れした天才占星術師…

殺戮にいたる病/我孫子武丸

殺戮にいたる病 (講談社文庫)作者: 我孫子武丸出版社/メーカー: 講談社発売日: 1996/11/14メディア: 文庫購入: 41人 クリック: 522回この商品を含むブログ (229件) を見る 読書愛好家の中では必読の本です。あるカテゴリーの中で非常に有名だと聞いて買った…

ヘブンメイカー スタープレイヤー(2)/恒川光太郎

幻想世界の名手・恒川光太郎の最新作で、以前紹介したスタープレイヤーの続編です。 どんな願いでも10個だけ叶えることが出来るスタープレイヤー。今回は様々な登場人物の視点で、また様々な時系列の並びで物語が紡がれます。それぞれの物語がどう関連付け…

占星術殺人事件/島田荘司

謎解きしようとする読者はバッター。作者はピッチャー。いくつかの見せ球を混ぜながらも、全てストレートで最後は空振り三振を取りにくる、そんな正統派ミステリーです。 いろんな情報が出てくる。登場人物もわんさか出てきて、平凡な私の頭では、何が問題で…

ワンダー Wonder/ R・J・パラシオ

ワンダー Wonder 作者: R・J・パラシオ,中井はるの 出版社/メーカー: ほるぷ出版 発売日: 2015/07/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 各所で話題沸騰。今年のスゴ本にも取り上げられたり、大手の書店では特設コーナーも出来ておりま…

呪文/星野智幸

呪文 作者: 星野智幸 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/09/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (8件) を見る 最近話題になっている本です。ただこの小説を「現代社会の闇」とか「日本社会の縮図」とか言ってのけるのはあまりにも浅薄な発…

あなたが消えた夜に 中村文則

あなたが消えた夜に 作者: 中村文則 出版社/メーカー: 毎日新聞出版 発売日: 2015/05/16 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (8件) を見る 出版社に務める友人が”前半のミステリータッチと後半の心情メインのギャップがすごい”と大絶賛していた本です。…

記憶破断者 小林泰三

記憶破断者 作者: 小林泰三 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2015/08/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 独特の切り口で恐怖と異次元のワンダーランドを書いてきた小林泰三先生の最新作。今回、小林先生の明晰な頭脳によって解体され…

サラバ! 西加奈子

サラバ! 上 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2014/10/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (22件) を見る サラバ! 下 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2014/10/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (17件) を見…

僕は愛を証明しようと思う/藤沢数希

ぼくは愛を証明しようと思う。 作者: 藤沢数希 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2015/06/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る すごい本です。ひどい本です。でもすごく面白い本です。久しぶりに一気読みできる本に出会いました。独身の…

椿姫/デュマ・フィス

椿姫 (光文社古典新訳文庫) 作者: アレクサンドルデュマ・フィス,Alexandre Dumas fils,西永良成 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2008/08/07 メディア: 文庫 クリック: 12回 この商品を含むブログ (17件) を見る 中世版”セカチュー”というか、『世界の中心…

心を蝕む悪魔の書『ドリアン・グレイの肖像』/オスカー・ワイルド

呪いの書と言って良いかもしれません。人の生命力を削ぎ、邪念を亢進する言葉を呪いの言葉というのなら、この本は呪いの言葉が綴られた呪いの書です。 悪い本とか、読むべきでない、と言っているのではありません。むしろ全人類必読の書と言って良いほどです…

この闇と光/服部まゆみ

何度でも読みたくなる珠玉のミステリーと評判の本書。楽しい本が読みたくて、衝動買いしました。 盲目の王女レイアとクーデターにより王位を剥奪されたお父様のメルヘンチックだけど、どこか不気味な日常。 お話の中で、本を読み聞かせる場面が多々出てくる…

旅のラゴス/筒井康隆

面白い小説を挙げろ、と言われたら必ず話題に登る本書。古い本なのに、なぜか最近、書店で押されており、良いタイミングなので読んでみました。 タイトル通りラゴスが世界中を旅するお話。ここは科学が進歩する代わりに、瞬間移動や壁抜けなど、ちょっとした…

イニシエーション・ラブ/乾くるみ

ラスト二行で世界がひっくり返る驚愕のラブストリーというお触れで、大きな期待を抱き読み始めました。3時間もあれば、読み終わる、とても読みやすい。社会人になってから遠距離恋愛、お金を節約するために疲れ果てて、会ってもケンカばかりの日々、なんて…

竜が最後に帰る場所/恒川光太郎

外れのない恒川光太郎の短編集です。昨年出された文庫本なのですが、未読でしたので『スタープレイヤー』の余韻冷めやらぬ中、これも一気読みしました。 リアリズムから神話世界へ拡散していく5章。 日常の中にふと紛れ込む不思議な感覚を描いた序章『風を放…

HHhH プラハ、1942年/ローラン・ビネ

ゴンクール賞最優秀新人賞受賞、リーヴルドポッシュ読者大賞受賞の本作。フランスの作家ローラン・ビネによるナチスの最終解決主導者ラインハルト・ハイドリヒの暗殺計画を題材にした小説…?…いや書物…?です。 非常に変則的な文学です。380ページもの長編が…

殺人鬼 覚醒編 /綾辻行人

綾辻先生は新本格派ミステリーの巨匠ですが、もう一つのライフワークはこういったスプラッターホラー小説なのです。エログロ満載、電車に乗って読んでたら吐きそうになるレベルのハチャメチャ小説です。 謎のキャンプ、謎の集まり、謎の声、何の脈絡もなく始…

夏への扉/ロバート・A・ハインライン

SF小説の話題になれば、まず挙げられる『夏への扉』。あちこちで大絶賛されており、趣味読書と銘打っている以上読まない訳にはいきません。 『夏への扉』という言葉は、主人公ダンの愛猫ピートが作り出した言葉です。冬になるとピートはどこかに夏へ通じる扉…

スタープレイヤー/恒川光太郎

恒川光太郎の新ファンタジーシリーズ。10の願いを叶える事が出来る世界で生きる事になった人間の喜びと苦悩を描いた良作です。久々に一気読みでした。 いつもの恒川光太郎は日常世界の中に神話的世界の一部を開かせる物語が多かったように思います。本作は逆…

イワンのばか

ロシアの民話集です。 イソップ童話の様に教訓めいた小話が8遍収録されています。 どのお話も、素直に、慎ましく、穏やかに暮らしていきましょうというメッセージが込められています。金に目がくらんで滅びる男、土地を手にしようとして過労死してしまう男、…

迷路館の殺人/綾辻行人

綾辻先生の館シリーズ3作目『迷路館の殺人』です。読者は当然『十角館の殺人』『水車館の殺人』の衝撃に引きずられて、身構えております。もう騙されまい、でも騙されたい、という複雑な読者の期待にどう応え、どう裏切るのでしょうか。 結論から申しますと…

水車館の殺人/綾辻行人

これぞ本格推理小説! 万人に自信を持ってお勧め出来る傑作中の傑作です。 『十角館の殺人』の”ミステリー界に革命を起こした一行”に続く館シリーズ第二作がこの『水車館の殺人』です。あの革命的小説に続く作品ですので、読者は相当の期待を持ってこのミス…

変身/カフカ

『グラスホッパー』があまりに雑な出来だったので、本格的な世界文学が読みたいと思いカフカに手を出しました。ドストエフスキーの様な重厚な文体かと想像していたのですが、意外と軽妙洒脱な文体で、さらっと読めます。 この小説にはどんな社会風刺も見いだ…

グラスホッパー/伊坂幸太郎

角川からの献本です。売れに売れまくっている作家”伊坂幸太郎”の作品。映画化も決まり、それなりに評価を得ている作品です。 妻をろくでもないチンピラに殺された主人公”鈴木”と、殺し屋、自殺屋、押し屋をめぐるハードボイルド(?)小説らしいです。いろん…

金色機械/恒川光太郎

夢幻世界を描かせたらピカイチの恒川光太郎先生の最新作!時は江戸、まだ森や山が神秘性を帯びていた時代のSFファンタジー小説です。 女が持つ能力とその運命も、鬼が棲む極楽屋敷も、金色様の設定も、直線に繋げるとちぐはぐだけど、恒川先生の技巧によって…

ガダラの豚/中島らも

面白本業界ではめちゃめちゃ有名な中島らものエンタメ小説『ガダラの豚』!!全3冊の長編なのですが、平日一週間で一気読みです。噂に違わぬ一級エンターテインメントでした。 ガダラの豚のこれが面白い1 登場人物が面白い!主人公のオオウベ教授はアル中の…