「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

小説

サラバ! 西加奈子

サラバ! 上 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2014/10/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (22件) を見る サラバ! 下 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2014/10/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (17件) を見…

僕は愛を証明しようと思う/藤沢数希

ぼくは愛を証明しようと思う。 作者: 藤沢数希 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2015/06/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る すごい本です。ひどい本です。でもすごく面白い本です。久しぶりに一気読みできる本に出会いました。独身の…

椿姫/デュマ・フィス

椿姫 (光文社古典新訳文庫) 作者: アレクサンドルデュマ・フィス,Alexandre Dumas fils,西永良成 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2008/08/07 メディア: 文庫 クリック: 12回 この商品を含むブログ (17件) を見る 中世版”セカチュー”というか、『世界の中心…

心を蝕む悪魔の書『ドリアン・グレイの肖像』/オスカー・ワイルド

呪いの書と言って良いかもしれません。人の生命力を削ぎ、邪念を亢進する言葉を呪いの言葉というのなら、この本は呪いの言葉が綴られた呪いの書です。 悪い本とか、読むべきでない、と言っているのではありません。むしろ全人類必読の書と言って良いほどです…

この闇と光/服部まゆみ

何度でも読みたくなる珠玉のミステリーと評判の本書。楽しい本が読みたくて、衝動買いしました。 盲目の王女レイアとクーデターにより王位を剥奪されたお父様のメルヘンチックだけど、どこか不気味な日常。 お話の中で、本を読み聞かせる場面が多々出てくる…

旅のラゴス/筒井康隆

面白い小説を挙げろ、と言われたら必ず話題に登る本書。古い本なのに、なぜか最近、書店で押されており、良いタイミングなので読んでみました。 タイトル通りラゴスが世界中を旅するお話。ここは科学が進歩する代わりに、瞬間移動や壁抜けなど、ちょっとした…

イニシエーション・ラブ/乾くるみ

ラスト二行で世界がひっくり返る驚愕のラブストリーというお触れで、大きな期待を抱き読み始めました。3時間もあれば、読み終わる、とても読みやすい。社会人になってから遠距離恋愛、お金を節約するために疲れ果てて、会ってもケンカばかりの日々、なんて…

竜が最後に帰る場所/恒川光太郎

外れのない恒川光太郎の短編集です。昨年出された文庫本なのですが、未読でしたので『スタープレイヤー』の余韻冷めやらぬ中、これも一気読みしました。 リアリズムから神話世界へ拡散していく5章。 日常の中にふと紛れ込む不思議な感覚を描いた序章『風を放…

HHhH プラハ、1942年/ローラン・ビネ

ゴンクール賞最優秀新人賞受賞、リーヴルドポッシュ読者大賞受賞の本作。フランスの作家ローラン・ビネによるナチスの最終解決主導者ラインハルト・ハイドリヒの暗殺計画を題材にした小説…?…いや書物…?です。 非常に変則的な文学です。380ページもの長編が…

殺人鬼 覚醒編 /綾辻行人

綾辻先生は新本格派ミステリーの巨匠ですが、もう一つのライフワークはこういったスプラッターホラー小説なのです。エログロ満載、電車に乗って読んでたら吐きそうになるレベルのハチャメチャ小説です。 謎のキャンプ、謎の集まり、謎の声、何の脈絡もなく始…

夏への扉/ロバート・A・ハインライン

SF小説の話題になれば、まず挙げられる『夏への扉』。あちこちで大絶賛されており、趣味読書と銘打っている以上読まない訳にはいきません。 『夏への扉』という言葉は、主人公ダンの愛猫ピートが作り出した言葉です。冬になるとピートはどこかに夏へ通じる扉…

スタープレイヤー/恒川光太郎

恒川光太郎の新ファンタジーシリーズ。10の願いを叶える事が出来る世界で生きる事になった人間の喜びと苦悩を描いた良作です。久々に一気読みでした。 いつもの恒川光太郎は日常世界の中に神話的世界の一部を開かせる物語が多かったように思います。本作は逆…

イワンのばか

ロシアの民話集です。 イソップ童話の様に教訓めいた小話が8遍収録されています。 どのお話も、素直に、慎ましく、穏やかに暮らしていきましょうというメッセージが込められています。金に目がくらんで滅びる男、土地を手にしようとして過労死してしまう男、…

迷路館の殺人/綾辻行人

綾辻先生の館シリーズ3作目『迷路館の殺人』です。読者は当然『十角館の殺人』『水車館の殺人』の衝撃に引きずられて、身構えております。もう騙されまい、でも騙されたい、という複雑な読者の期待にどう応え、どう裏切るのでしょうか。 結論から申しますと…

水車館の殺人/綾辻行人

これぞ本格推理小説! 万人に自信を持ってお勧め出来る傑作中の傑作です。 『十角館の殺人』の”ミステリー界に革命を起こした一行”に続く館シリーズ第二作がこの『水車館の殺人』です。あの革命的小説に続く作品ですので、読者は相当の期待を持ってこのミス…

変身/カフカ

『グラスホッパー』があまりに雑な出来だったので、本格的な世界文学が読みたいと思いカフカに手を出しました。ドストエフスキーの様な重厚な文体かと想像していたのですが、意外と軽妙洒脱な文体で、さらっと読めます。 この小説にはどんな社会風刺も見いだ…

グラスホッパー/伊坂幸太郎

角川からの献本です。売れに売れまくっている作家”伊坂幸太郎”の作品。映画化も決まり、それなりに評価を得ている作品です。 妻をろくでもないチンピラに殺された主人公”鈴木”と、殺し屋、自殺屋、押し屋をめぐるハードボイルド(?)小説らしいです。いろん…

金色機械/恒川光太郎

夢幻世界を描かせたらピカイチの恒川光太郎先生の最新作!時は江戸、まだ森や山が神秘性を帯びていた時代のSFファンタジー小説です。 女が持つ能力とその運命も、鬼が棲む極楽屋敷も、金色様の設定も、直線に繋げるとちぐはぐだけど、恒川先生の技巧によって…

ガダラの豚/中島らも

面白本業界ではめちゃめちゃ有名な中島らものエンタメ小説『ガダラの豚』!!全3冊の長編なのですが、平日一週間で一気読みです。噂に違わぬ一級エンターテインメントでした。 ガダラの豚のこれが面白い1 登場人物が面白い!主人公のオオウベ教授はアル中の…

百舌魔先生のアトリエ/小林泰三

かかさず読んでいる小林泰三先生の最新ホラー文庫です。 大きな期待をもって読んだのですが、はっきりいって、あんまりでした。 いつもの論理的転換も少ないし、ホラー要素も薄い。 でも、読むのにすごく疲れる…なんだかマジキチ度が格段に上がった様な気が…

タックスヘイブン/橘玲

6年前、卒業旅行の飛行機で『マネーロンダリング』を読んだ衝撃を忘れません。世の中にはこんなことを考えている人がいて、こんな暮らしをしている人がいるのかと社会人生活にワクワクしたのを覚えています。実際は全然関係のない、泥だらけの業界に入った…

不毛地帯 5巻/山崎豊子

シベリアの極寒地と中東の土漠地、ふたつの不毛地帯をめぐる壱岐正の物語、遂に完結。 中東の油田開発入札の争奪戦と社内闘争、政治腐敗に、親子愛。一人の男にとりまくあらゆる物語が同時進行し、見事に収束していった快作でした。 この壱岐正という男は、…

不毛地帯 4巻/山崎豊子

千代田自動車とフォーク自動車の事業提携、クライマックス。日本の商社同士で怒濤の商戦が繰り広げられます。日本の商社マンがどうやって海外へ日本ブランドを売り込んでいったか、日本にどうやって天然資源をひっぱっていったか、その苦労がよぉく分かりま…

不毛地帯 3巻/山崎豊子

自らのありかたに疑問を持ち始めた元参謀陸軍参謀の商社マン壱岐正。 だんだんと彼らしい大局観を取り戻しながら、社内で敵対する勢力とうまく調整し、近畿商事を盛り立てていきます。ただ、仕事がうまくいけばいくほど、家庭がうまくいかなくなるのが、いつ…

不毛地帯 2巻/山崎豊子

陸軍参謀エリートが商社での第二の人生を歩み始めた第2巻です。防衛庁の戦闘機を巡る1000億円を超える商戦に際し、かつての陸軍のコネクションをフルに使い受注活動を行う主人公、壱岐正。 そこにはシベリアの抑留生活を耐えさせた鉄の志や、国益のための無…

生存者ゼロ/安生正

第11回『このミステリーがすごい』大賞受賞作です。舞台は日本の北海道。根室沖の石油採掘基地で働く数十人の人間が全身血を吹き出して全滅したところから始まります。状況を調査しに現場に降り立った陸上自衛隊の主人公は、その凄惨な現場で奇妙なことに気…

川あかり/葉室麟

ほっこり系時代劇です。本屋のランキングに入っていたので衝動買い&読み。藩内の権謀術数の企みなど感心するほど、細かい事情設定がされ、ぐいぐい読めます。 ただし、武士として生きること、うんぬんのところは良くわかりませんでした。武士同士の討ち合い…

峻烈な反ミステリー『人喰いの時代』/山田正紀

SFの大家、山田正紀の反ミステリー小説です。そんなに新しい本ではないですが、本屋で大きくポップが飾られていたので乗せられて買ってみました。 小さなミステリーの連作が続きますが、最後にちょっとしたカラクリがあります。そのカラクリは今までの世界が…

『不毛地帯 1巻』/山崎豊子

初めての山崎豊子。名前はもちろん、知っていたし、ドラマも何個かみたことありましたが、本を手に取るのは初めてです。この話の主人公は壱岐正、モデルは瀬島龍三です。当時のエリート養成学校である陸軍士官学校から最年少で大本営参謀中佐になった男が30…

海賊と呼ばれた男/百田尚樹

第10回本屋大賞を受賞し、150万部突破したという本書。出光興産の創業者、出光佐三をモデルにした歴史経済小説です。上下巻あって、かなり長いです。 そこそこ面白い小説ですが、そこまで人を熱中させる魔力を持った話ではない気がします。たしかに、この…