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「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

人文科学

勉強の哲学 来たるべきバカのために 千葉雅也

読みやすくタメになる本です、勉強の哲学 来たるべきバカのために作者: 千葉雅也出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2017/04/11メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (11件) を見る P20 勉強とは、かつてのノっていた自分をわざと破壊する、…

過酷なるニーチェ 中島義道

過酷なるニーチェ (河出文庫)作者: 中島義道出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/11/08メディア: 文庫この商品を含むブログを見る今日本でもっとも峻厳な哲学者といえば、中島義道かもしれません。このニーチェ入門書はニーチェの言説の一文を抜き出…

私とは何か 「個人」から「分人」へ 平野啓一郎

良本の定義は「今まで知らなかった世界の見方を提示してくれること」です。良本を読む前と後では、まわりの世界が一変します。大袈裟ではなく。一変するものです。 そういう意味でこの本は素晴らしい良本です。 私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社…

無限論の教室/野矢茂樹

無限論の教室 (講談社現代新書)作者: 野矢茂樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/09/18メディア: 新書購入: 24人 クリック: 198回この商品を含むブログ (166件) を見る 野矢茂樹先生の無限論講座です。文系大学生がへんてこな先生から講義を聞いていると…

ニュースのなぜ?は世界史に学べ 日本人が知らない100の疑問

ニュースの"なぜ?"は世界史に学べ 日本人が知らない100の疑問 (SB新書)作者: 茂木誠出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2015/12/05メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見る世界情勢を分かりやすく語ることってとても気持ち良いんです。あぁ…

悩める人、いらっしゃい 内田樹の生存戦略

悩める人、いらっしゃい 内田樹の生存戦略作者: 内田樹出版社/メーカー: 自由国民社発売日: 2016/06/10メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る内田樹先生のお悩み相談教室なんですが、なぜか政治の話が多いです。安倍政権はどうですか…

危険思想ギリギリの素晴らしい本『幸せになる勇気』 岸見一郎

本当に素晴らしい本です。素晴らしすぎて誰にもオススメしたくないくらい。最近、この本に書かれていることしか喋っていません。飲み会で仕事の話になった時も、結婚の話になった時も、家庭でお金の話になった時も、すべてこの本の考え方をモチーフにすれば…

存在と時間 哲学探求1 永井均

存在と時間 ――哲学探究1作者: 永井均出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/03/28メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る学生時代、ウィトゲンシュタイン入門を読んだことがあり、名前だけは知っていた永井均。この人の問題意識にひたすら付き…

「読まなくてもいい本」の読書案内 ――知の最前線を5日間で探検する /橘玲

分野横断的に知の最前線を覗ける良本です。テーマは複雑系・進化論・ゲーム理論・功利主義等。知の歴史を辿りながらどんな議論がなされてきたか臨場感を持って体感できます。「読まなくてもいい本」と言われると、逆に読みたくなるのが人の性というもので、…

アドラーの心理学 嫌われる勇気

話題になったのはもう2年前なのでしょうか。本屋でいつも大きく宣伝されていたのですが、タイトルに魅かれなかったので手に取ることはありませんでした。だって「嫌われる勇気」という本をタイトル買いするということは、”今は嫌われる勇気がない→みんなに好…

あの根源的問題について⑥ ハイデガー=存在神秘の哲学/古東哲明

「次はハイデガーに迫る」と書いたエントリーからもうすぐ一年が経とうとしていますね。ハイデガーの本は、1月時点ですでに読んでいたのですが、なかなかまとめるのに骨が折れそうだと思い、保留にしておりました。もう年末ですし、年初に掲げた課題はここ…

なぜ私だけが苦しむのか/H.S.クシュナー

新婚旅行のハワイ滞在中に読んだ本書。普通なら人生最高の瞬間と言って良い新婚旅行に、しかもハワイで、この本を手に取っている私の心境は容易に察せられると思いますが、そのことはひとまず置いておきます。 この本のメインテーマはタイトル通り。もっと丁…

困難な成熟/内田樹

最近仕事を抑え気味の内田先生。いつも「誰も言わなそうなこと」を選択的に語ってきた内田先生ですが、最近は「誰も言わない」が正しいことではなく、「誰も言わない」不確かなことを語るようになってきた気がします。この本でも、かなり極端な語り口が多く…

文系の壁/養老孟司

最近、何を読んでも面白くなくて途中で投げ出してばかりです。こういう時は内田先生の本を読むに限るのですが、最近活動を自粛されてか本もあまり刊行されないので、養老孟司さんの本を手に取ってみました。 活躍中の4人の理系出身者との対談集。 どの対談…

あの根源的問題について⑤ 仝/佐々木中

仝: selected lectures 2009-2014 (河出文庫) 作者: 佐々木中 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/02/06 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (5件) を見る 佐々木中のスゴイ本です。「ドウ」と読みます。2009〜2014までの講演を編集文庫化したも…

孤独の価値/森博嗣

幻冬舎新書が来てます!2冊連続! 最近、”孤独”について考えることが多く、ちょうどこんなタイトルの本があったので読んでみました。 この本が説く”孤独の価値”とは単純明快。孤独な時こそ、人間の創造性が最大に発揮される、という点です。どんな発明も、…

愛するということ/エーリッヒ・フロム

愛するということ 作者: エーリッヒ・フロム,Erich Fromm,鈴木晶 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 1991/03/25 メディア: 単行本 購入: 33人 クリック: 227回 この商品を含むブログ (120件) を見る 『自由への逃走」で有名な社会学の大家フロムの『愛…

弱いつながり 検索ワードを探す旅/東浩紀

弱いつながり 検索ワードを探す旅 作者: 東浩紀 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2014/07/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (41件) を見る また東浩紀のエッセイです。なんと「今の自分を変えたい人のための自己啓発本」です。この本で、東浩紀は…

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル/東浩紀

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル (講談社文庫) 作者: 東浩紀 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/12/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 日本の現代思想の第一人者、東浩紀の思想書ではなく、エッセイです。エッセイといっても…

あの根源的問題について③ 反哲学入門/木田元

反哲学入門 (新潮文庫) 作者: 木田元 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2010/05/28 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 45回 この商品を含むブログ (46件) を見る 死を考えるシリーズ3回目。前回、「死を考える鍵は世界を主体/客体の二元論を相対化し、克…

あの根源的問題について②『どうせ死ぬのになぜ生きるのか/名越康文』

死を考えるシリーズ2回目。この本は紀伊国屋のメルマガで発売の連絡があり、まさにこれだ!と思い即買いしました。 P16 どうして僕らの悩みや不安を振り払っても、振り払ってもなくなることがないのか。それは結局、そうした具体的な一つひとつの悩みの根底…

街場の戦争論/内田樹

発売と同時に買い、すぐに読み終えていたのですが、なかなか手が付けられませんでした。というのも、『街場の戦争論』出版記念講演会が先週の日曜日に梅田のグランフロントで開催されまして、それに参加する前と後では印象が変わるかもしれないと考えていた…

呪いの時代/内田樹

月1冊を超えるペースで本を出し続けている内田先生、さすがにTwitterでもお疲れの色を見せておりました。この本は2008年から震災後くらいまでのエッセイをまとめたもので、結論としてはいつもと同じことを言っているのですが、この本は非常に面白かったです…

逃げる中高年、欲望のない若者たち/村上龍

なぜか本屋さんで目が合ってしまいました。村上龍の本は読んだことがないし、好きでも嫌いでもありません。カンブリア宮殿で、結構表面的な質問ばかりする人だなという印象しかなかったのですが、文章はさすが。他人の内臓を抉り出す様な切れ味鋭い言葉が続…

ハイデガー入門/細川亮一

大学3年生の時に買って、2〜3回読もうとして挫折した本です。入門書なのに…。 ハイデガーは本当に難しい。独特の術語が多過ぎて、日本語で読もうとすると逆に混乱するような気がします。原点を読む勇気もないですが…。 p62 「存在は、存在者を存在者とし…

街場の共同体論/内田樹

3ヶ月に一度は読みたい内田先生の新刊です。少し急ぎ過ぎて疲れた頃、働き過ぎて自分を見つめ直す時間が取れない頃、内田先生の本が心にじわっと染み渡ります。 この本で言っていることに特に真新しいことはありません。いつも内田先生が言っていることです…

若い読者のための世界史(上)

なんだか無性に世界史に興味がわいた時に衝動買いした本です。高校受験は3教科、大学受験はしていない私には、教養としての世界史の知識がないのです。 今後、海外へ行く時にも、歴史を知っておいた方が楽しそうだと思い手にとりました。内容は口語体で、馴…

本当の仕事の作法

いつもの3人の鼎談本です。2冊目かと思っていましたが、実は3冊目なのですね。原発関連の本を先に出していて、それをまだ読んでおりませんでした。 内容は、世界が広がるというよりは、いつもの論旨を反復して確認する感じです。大人のふるまいとは、とか…

一神教と国家/内田樹、中田孝

内田先生とムスリムで元同志社大学教授の中田孝さんの対談本です。内田先生の専攻はレヴィナスなのでユダヤ教について一定の知識はお持ちです。そこでムスリムの中田さんとユダヤ教の哲学者を師と仰ぐ内田先生が、イスラームとユダヤ教とキリスト教について…

暇と退屈の倫理学/國分功一郎

この本は、最高に面白いです。早くも2014年最高の読書体験をしてしまったかもしれません。 暇と退屈が人生において、どれだけ重大な問題をはらんでいるかを徹底的に突き詰めて、考えます。人間は暇と退屈を恐れる。それも尋常じゃない仕方で。 暇と退屈に対…

銃・病原菌・鉄(下)/ジャレド・ダイアモンド

下巻です。 p19 まったくゼロの状態から文字システムを考察することは、既存のシステムで使われているものを拝借するのに比べ、比較にならないほど難しい。発話、つまり、コミュニケーションの目的で人間が発する一連の音素を最初に文字で表そうとした人は…

銃・病原菌・鉄(上)/ジャレド・ダイアモンド

ピュリッツァー賞、朝日新聞『ゼロ年代の50冊』一位を受賞した超有名な本です。学術書とは言え、非常に平易な文章で読みやすく、問題提起も単純明快、世の中の見方をがらっとかえるエッセンスが満載、さすがの一冊です。 この本のテーマはずばり 南北アメ…

不要家族/土屋賢二

ついにお茶の水大学から退官したツチヤ先生のエッセイ集です。大学を後にした変わった事は助手ネタが減り、知り合いの三浦勇夫先生のネタが増えたこと、体調不良ネタ、病院ネタ、老化ネタが増え、同じ話を言葉を何度も使用するようになったことでしょう。(…

『大衆の反逆』/オルテガ  への反逆

人文系、とくに政治系の学部学科を出た人なら、誰しも一度は耳にしたことがあるであろうオルテガの『大衆の反逆』を読みました。内田先生の『知に働けば蔵が建つ』に取り上げられていて、興味を持ち、購入した本でした。 有名な本ですが、今現在でも汎用可能…

陰謀論には気をつけろ!『街場の憂国論/内田樹』

読み過ぎです。っていうか内田先生が本を出し過ぎなのです。 ただし、本書の内容はほとんどブログや雑誌に発表したものの再録なので、文章だけを読みたいのなら買う必要のないものです。内田先生の本をどうしても本棚に飾っておきたいという熱狂的ファン(私…

私による『内田樹による内田樹/内田樹』

内田先生が今までに刊行した本をご自身で紹介する本です。その時にどんな気持ちで書いたか、今ではどんな意味を持っているのかたっぷり文字数を使っての紹介で、もはや一冊の内容を含んだ作品になっています。これが非常に面白い。 p75 彼らの人物判断はそ…

大人のいない国/内田樹・鷲田清一

内田先生の対談とエッセイが乗っています。これは、と思った箇所を抜粋します。 p24鷲田 会社っていうのは入ったら誰でも出来る仕事しかさせてもらえない。どこの馬の骨だかわからない人に、その人しかできないようなことをさせるなんて、そんなリスキーな…

修業論/内田樹

内田先生の新刊、新書です。メディア論や教育論は「街場の」がつくのに、今回はガチの『修業論』です。メディア学や教育学は専門ではないけど、武道は専門だからでしょうか。 本書は4章に分かれています。1、修業論、2、身体と瞑想、3、現代における身体…

脱グローバル論 日本の未来のつくりかた

内田先生の新刊です。元大阪市長の平松邦夫さんが開いた4回のシンポジウムの記録です。内田先生の他のパネリストには、盟友、平川克美、哲学者、中島岳志、小田島隆、高木新平、イケダハヤト、と、はてなブックマークをチェックしている人なら大抵聞いたこ…

大数学者の軌跡を辿れる『数学ガール フェルマーの最終定理』

数学ガール2作目です。 今回から、主人公の姪であるユーリも仲間に加わり、数学ワールドが萌えで満たされます。この姪っ子の語尾が「にゃ」になってるのも、明らかに狙い過ぎて不気味ですが、内容は相変わらず分かりやすく面白かったです。 サイモン・シン…

見晴らしのいい密室/小林泰三

小林泰三先生の最新作です。 相変わらず論理をこねくり回した独自の世界観ですが、一つ一つは小ぶりな印象。 『酸歩する男』ほどの衝撃には出会えませんでした。 これといって特筆したい物語もありません。小林先生ファンなら読むべきですが、導入編としては…

評価と贈与の経済学/内田樹、岡田斗司夫

また内田先生の本ばかり読んでいます。面白いので、ついつい読み進めてしまうのです。今回も対談本です。評価経済の提唱者として話題になった岡田斗司夫さんと。”デブだったけど痩せた人”くらいの認識しかなかったのですが、オタク界では有名な人らしく、な…

本当の大人の作法 価値観再生道場

内田先生、名越康文さん、橋口いくよさんによる鼎談集です。割合的には名越さんが喋っている内容が多い様な気がしました。私は内田先生のファンなので、内田先生の意見を読みたかったのですが、割合はそんなに多くありません。ただ、普段の内田先生の本では…

内田さんに聞いてみた「正しいオヤジ」になる方法/木村政雄vs.内田樹

軽くて読みやすい上に、面白い知見も多分に含まれていて、良本でした。 「正しいオヤジ」になる方法について書かれた本ではなく、それを『内田さんに聞いてみた』って言うところがポイントでした。内田先生は家父長制度の絶滅を予期しているので、木村さんが…

夜と霧

この本に書かれている内容は地獄だ。 童話に描かれる教訓としての地獄ではない。芸術として描かれる神話としての地獄でもない。地獄とは、いま、ここ、わたしが生きるこの世界にある地獄だ。 論理と合理性からシステマチックに生産される苦痛と殺戮。そこに…

論より譲歩

論より譲歩 (文春文庫)/文藝春秋 ¥550 Amazon.co.jp 土屋センセイの最新刊。 絶賛書店にて売れ残り中だったので、慈悲の心で買い物カゴに入れることにしました。こうやって現世で徳を積むことで、極楽浄土への道が開かれたと思うと、買ったことの後悔が少し…

考えるヒント

考えるヒント (文春文庫)/文藝春秋 ¥590Amazon.co.jp 日本を代表する評論家、小林秀雄のエッセイ集です。 昭和30年台に連載されていた内容なので、言葉遣いも当時の評論家らしく、仰々しい。 その言葉遣いと知性の跳躍が超人的過ぎて、凡人には理解できな…

入門!論理学

入門!論理学 (中公新書)/中央公論新社 ¥777Amazon.co.jp 本棚の肥やしになっている本を片付けていこうプロジェクト1弾! 大学3年生にくらいに買ったと思われる本書。いまさら読んでみました。 ちまたにあふれる「仕事に使えるロジカルシンキング」といっ…

他者と死者

他者と死者―ラカンによるレヴィナス/海鳥社 ¥2,625Amazon.co.jp 卒論のとき、すこし読んだこの本。内容は全く覚えていませんでしたが、入院中に読み終えました。 病院の中で死者ってタイトルについている本を置いておくのも気が引けましたが、飽くまでも死…

昭和のエートス

昭和のエートス (文春文庫)/文藝春秋 ¥710Amazon.co.jp いっつも内田樹の本読んでるね、と周りから突っ込まれるようになってきました。 この本は内田先生がいつもいっている教育論(教育に市場原理を持ち込むな)、労働論(労働とは贈与である)がちりばめ…