読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「何もない」がある

音楽と本について書きます。日々考えたくだらないことも。

映画3本観た

ザ・ロック [Blu-ray]

ザ・ロック [Blu-ray]

アクション映画の古典的名作『ザ・ロック』。勧善懲悪の分かりやすい構図ではなく、悪側が自身の行動に対して常に葛藤を抱いているのが切ない。ショーン・コネリーめちゃカッコいい。

レオン 完全版 [Blu-ray]

レオン 完全版 [Blu-ray]

言わずと知れたリュックベッソンの最高傑作。イタリア移民のプロの殺し屋と麻薬取締課の刑事に一家全員を殺された孤独な少女との純愛。ナタリーポートマン演じるマチルダの魅力が凄い。この映画のせいで世界中にロリコンが100万人増えたんじゃないかと思う。


アメリカの超ド田舎に住むスピヴェット少年は物理学の大天才。でも双子の兄を事故で亡くしてから、家族はそれぞれ自分の世界に没頭し、誰も彼に構ってくれません。少年のある発明が学会に注目されたことで、少年はワシントンへの大冒険に出かけます。スピヴェットの成長と家族の再生を描く、ほっこりした映画です。

魔法少女育成計画

魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)

魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)

表紙からして、電車で読んでいると白い目で見られることウケあい。本屋の端末でこの本を検索していたら妻から白い目で見られました。結局、メルカリで買いましたが、到着した時、妻がドン引きしていました。

「いやいや、違うんだ、この小説は単なる魔法少女ものではなくて、精緻なバトル展開で有名になったハードボイルド魔法少女小説なんだ」と言明すればするほどキモくなる不思議。魔法少女弁明のパラドクス。

単なる魔法少女ものってなんだよ。魔法少女が出る時点で、魔法少女ものなんだよ。魔法少女が出る時点で、成人男性が読んでたらキモいんだよ。
そんな一般解を意に介さないで良いほど、内容が深遠で、凄絶であれば助かる。そんな願いを込めて読み進めました。


結論から言いますと、まぁ、いわゆる魔法少女ものですわ。確かに絶対的に強い能力を持っている魔法少女を出し抜く場面とか、一番へぼい能力が身体能力MAXの相手を倒す場面なんかは、なかなか面白い。でも、それだけを純粋に楽しんで読書しているのならば魔法少女である必要が全然ない。X-MENで良い。白いセーラー服を着せる必要もスクール水着で戦わせる必要もない。


わざわざ魔法少女で戦わせる目的って「性的な対象として観るため」以外に思いつかない。
やっぱり魔法少女ものの本を読んでいる人は、スケベでロリコンなんだよ。俺も含めて。間違いない。


だから白い目で見るのが正解。成人男性がセーラー服とスクール水着を着ている年端もゆかない女の子と同士が戦っている小説を読んで興奮しているんだから、ドン引きするのが正解。


魔法少女ものにたいする一般解は常に正しい。
この事情にかんする特別解は存在しない。


あとライトノベルの言い回しってどうにもカッコつけた感じが気になる。「○○にいたっては常日頃からそういう想いがない訳ではない」みたいな。「ないわけではない」と言うべき個所と言うのはあるけど、「ある」で良いところに「ないではない」を使っちゃう、そんなメンドクササがライトノベルにはある気がする。もう読みません。

仮面山荘殺人事件 東野圭吾

仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)

仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)

東野圭吾の本ではかなり有名な部類に入る大ドンデン返し系ミステリーです。

正直、ストーリー展開も風景描写も心理描写も全然引き込まれません。強盗犯が立てこもり中の山荘で密室殺人が起きると言う超ドラスティックなミステリーなのに、どれもこれも退屈な場面ばかりです。

全部、斜め読みで良いくらいです。


ただし、最後はきちんと締ります。パチパチパチ。


ミステリー小説としては新しいですが、映画ではこういう展開、かなり昔からありましたよね。

不夜城

 

不夜城 (角川文庫)

不夜城 (角川文庫)

 

 

 

ハードボイルド小説の名作です。主人公健一は新宿歌舞伎町を根城にする故買屋。いわゆる盗品を売買する商売です。そして台湾と日本のハーフ。歌舞伎町には台湾系、上海系、北京系、香港系と様々なマフィア達が蠢いていますが、健一はどこにも属することが出来ません。

 

歌舞伎町で繰り広げられる中国系マフィアの抗争、その中で主人公健一は自分の知力だけで生き残りをかけた心理戦を繰り広げます。

 

全員が自分の利益を最大化するように行動することで、様々な人が傷ついていく様は人間社会の縮図とも言えるかもしれません。

 

俺がお前だったら同じ行動を取る、という考え方だけが、人を許すという感情をもたらすのかもしれません。

ROCK AND ROLL HERO 桑田佳祐

以前リクエストをいただいたので、桑田佳祐の「ROCK AND ROLL HERO」のレビューをしたいと思います。随分時間が経ってすいません。いつも言っていますが、私は桑田佳祐を日本が誇る大天才の一人だと思っています。もう圧倒的です。神様です。だから最近の凋落が悲しいのです。桑田佳祐ソロの最盛期に満を持して発表された名盤「ROCK AND ROLL HERO」について語ります。

ROCK AND ROLL HERO

ROCK AND ROLL HERO



HOLD ON (It's Alright)
いきなりですが、この曲がこのアルバムの最高傑作だと思います。シャウトも皮肉めいた歌い方も唯一無二です。エレキギターのリフもシンプル単純明快だけどカッコイイ、ピアノとの相性も抜群。社会風刺、全共闘世代の批判、ラブソングばかり歌っている自分への揶揄・自己言及。これこそ桑田佳祐のロックンロール!誰も真似できない。近づくことさえできない。絶対的な桑田佳祐ここにあり!


ROCK AND ROLL HERO
するどいギターのイントロが刺さりますね。でもこの曲の主役はピアノ。なので中盤からはどうしてもポップっぽくなってしまう。この曲も社会風刺がビシビシ効いてくるのですが、全曲のHOLD ONが網羅しすぎていて、ちょっと霞むのが正直なところ。後は修羅場だの歌い方が好きです。



或る日路上で
交通事故の話をこんな風に歌にできちゃうところが桑田佳祐の天才たる所以です。Bメロなんて最高ですよね。

安全運転を無視したような不良の姐ちゃんと社会正義の名において勝負する

というなんか情けないワードをあんなにカッコイイメロディに載せちゃうところが最高。
そして極め付けは大サビ!
出会い頭のブス」てwwwww



影法師
童謡みたいな不思議な曲調です。この曲はC調なのですが、C-5というコードが使わています。ドミソではなくドミソファ#です。Cを連続して使うときはC、C+5、C6、C7という進行がよく使われます。ドミソにソ♯、ラ、シ♭が追加されていくわけですね。でもC-5は初めて見た。それがこの曲の不思議な感じの要因です。神話の世界のような寂しさが漂いますね。



BLUE MONDAY
イントロ最高。伴奏も歌も歌詞も最高にCOOLですね。カッコよくてエロティックに攻めたところで、「だめさ今日は月曜日」という桑田佳祐のだめな感じが追加されて、ファンにはたまらない構造になっています。
生まれたときからゲットーが好きさ」ってなんだよww



地下室のメロディ
この曲もハチャメチャなようでとても良くできています。AメロはE調。Bメロで突然C調に転調、B7を使ってサビでE調に帰ってきている。サビのメロディはめちゃくちゃキャッチーですよね。



東京
シングルカットされた有名な曲ですが、あまり好きではありません。演歌っぽいというか、じれったいというか。。。間奏のソロギターはあえて完全に音を外すというテクニックで聴く者の頭を混乱させようとしています。桑田佳祐の策略です。



JAIL ~奇妙な果実~
たぶん桑田佳祐なりの”遊び”です。




東京ジプシーローズ

イントロのギターもあやしい、スネアのリズムも訛っている、歌声もいやらしい、歌詞も下ネタ。その対比でサビがちびるほどカッコイイ!!!!一生聴いていたい。10分間ぐらい同じサビを続けて欲しい。単純に表拍、裏拍というリズムではない。これはあえてずらしている。そのズレから縦に綺麗に細かく刻まれるリズムに移行するから気持ち良いのか。サビのあとの訛りがあるから、気持ち良いのか。もうよくわからない。天才の所業。



どん底のブルース
これはロックンロールではない。ブルースなの?フォークソングじゃない?「あぁ人間なんて嫌だ!」というサビなんだけど、やっぱり歌の上手さが際立つ。玉置さんが歌っても映えそうな曲ですね。




夏の日の少年

東京のカップリング曲でした。同じシングルに収録されていた『可愛いミーナ』が素晴らしすぎて霞みがちですが、この曲もまた素晴らしい。爽やかだけどちょっぴり切ない青春の夏休みをそのまま表現したような曲。



質量とエネルギーの等価性
『さくら』に収録されていそうな、ハチャメチャな曲です。馬鹿を通り越して天才を通り越して、逆に馬鹿なんじゃないかと思います。「イデアの上昇と下降」ってなんだよwwっていうか全歌詞意味不明ですwwでも、メロディとリズムはアルバムで一番素晴らしいと私は思う。



ありがとう
最後に収録されるスローバラードはいつも名曲なのですが、この曲ははっきりいって期待はずれです。一番聴いていないと思う。



繊細な音楽的才能、社会や自然科学への鋭い洞察、さらに緩い下ネタ的遊び心が良い感じに合わさった名盤です。桑田佳祐にしか絶対に出せない味ですね。

Too Many People ASKA

世の中の風評なんて吹き飛ぶくらい圧倒的な完成度のアルバムです。量、質、バラエティともにASKA史上最高の傑作と言って良いかもしれません。amazonのレビューが自作自演なんてとんでもない。誰が聴いてもASKAの音楽に心震えること間違い無し。

 

Too many people

Too many people

 

 

FUKUOKA

アルバム発売に、先行してYouTubeに挙げられて大変話題になりました。この曲のおかげで、世の中のASKAを見る目が変わった気さえします。「やはり天才はいつまでも天才なのだ」と。

 

イントロからAメロのつまさきにはいるところ、この部分がたまらない。さらに言葉の宝庫。

 

今は昔、昔は今 誰でもない自分さ

生きるように生きて来た めくれば文字が表れるように

 

人生は前後左右いつも未解決

 

 

 

また、忘れられない言葉が増えました。

 

Be free

 

一発で分かりました。この出だしは絶対ドミナントコードだと。C調でいうとG。いきなりこのコードからメロディが始まる曲を他に知ってますか?私は知ってます。そう。「BIG TREE」です。ドミナントというのはトニックという解決に向けて進みます。トニックという安定を求めて動き続ける不安定なコード、それがドミナントコードなのです。「BIGTREE」ではドミナントという不安定なコード進行の中にはっきりしたメロディを埋め込むことで、その安定性を、BIGTREEの比喩として際立たせることに見事に成功しました。

「Be free」は不安定なAメロから躍動するサビを融通無碍に行き来することで、まさに自由であることを体現してみせた。神業だと思う。

 

僕はいつも躓いてばかりいるくせに

輝きばかりを求めて歩いてるくせに

 

刺さります。

 

リハーサル

「kicks」を彷彿とさせるロックチューン。いわゆるひとりCHAGE&ASKAです。ラストのシャウトは圧巻です。

 

東京

このタイミングで出すアルバムにこんなに明るく陽気な曲が入っているとは予想だにしていませんでした。でもよくよく聴いてみると明るいばかりの曲ではありません。

 

いくつかの恋 儚く失った恋

君が元気でいてくれたならば

いいね いいね

 

 

 

悲しい前向きさから明る過ぎるサビへ。陽気さが突き抜けているメロディが、明るさを通り越して可憐です。なんだか涙が出て来ました。理由がわからないけど、この曲を聴くと涙が止まらない。

 

あなたの歌を聴いている人はここにいます。今日も東京の電車で聴いています。

 

X1

バツイチではなく、クロスワンと呼ぶ。「我慢して、我慢して今日を生きてる」って私のことだな。

 

それでいいんだ今は

オアシスを彷彿とさせるベース音とストリングスの広がりからキャッチ―なAメロ。サビはさらっと転調してますね。これは以前触れた宇多田ヒカルの「Eternally」と同じ形の転調です。いわゆる異次元の転調です。バラードでは壮大な感じがでますが、ポップ調だとより軽やかに聞こえますね。

 

Too many people

アルバムのタイトルになっているので、ASKAにとって重要な意味を持った曲なのだと思います。この重苦しい雰囲気は、少し「Never end」の曲調に似ている気がする。

 

共感できる人がいるか分からないけど、間奏の部分聴いてみてください。尾崎豊の「誕生」のラストに似ている気がする。あれも人生の岐路にたった天才の苦悩を歌った歌だけど、苦しい時に自分を支えてくれるメロディというのは普遍性があるのかもしれませんね。

 

と、いう話さ

タイトルは難解ですが、この曲はめちゃくちゃカッコいい。「Now」、「花は咲いたか」、クラスの痺れるASKAロックです。Aメロの繋ぎのない言葉選びには脱帽。「ひとはひとがすきひとはひとがきらいなみだはあいがすき」って…。

サビも素晴らしいですね。「Hang up the phone」のようにハデさはないけど、唯一無二のメロディラインです。

間奏のギターリフも鳥肌が立つ!!

 

 

元気か自分

音が上がるわけでもない、リズムが変わる訳でもない。でもなぜ人はサビをサビと分かるのだろう。この曲のサビ。明らかにサビなんですよ。でも不思議なサビなんですよ。盛り上がるわけでもないんですよ、でもめちゃくちゃ耳に残る。

 

通り雨

ここで初めてASKAソロの真骨頂であるバラードです。SCENEにありそうな、ゆったりとして可愛らしい曲です。こういう曲をのんびりした休日に町並みを歩きながら聴くと最高ですね。

 

信じることが楽さ

ちょっと歌謡曲っぽくて懐かしい響きを持つ曲です。

 

疑うことは寂しいことなんだ、人を信じることが楽さ

 

この言葉が聞ければ、本の解釈とかどうでも良いんです。

 

未来の勲章

複雑なコードで自由に曲作りをするいつものASKAからすると、とてもシンプルな曲。「クールでシュールでキュートな」っていうフレーズ、良いですね。

 

 しゃぼん

音楽と言うか「歌」の力って凄まじいなと思う。この音楽はどんなに楽器が上手くても、どんなに音程が合っていても絶対に表現出来ない。「僕の上に天使はいるかい」という幼子のような叫び。「今幸せですか」と問う時の声のかすれ。「それでもそれでもああそれでも」が聴く者の心をかき乱す意味。

 

この寂しさはどこから来るんだろう

それでも それでも ああそれでも 

 

それでも、生きねばならないのですか。

それでも、そばにいてくれますか。

それでも、歌い続けて良いですか。

 

そんな風に私には聴こえました。

 

「しゃぼん」を聴き終えると無性に「FUKUOKA」が聴きたくなります。「しゃぼん」を聞いた後の「FUKUOKA」には寂しさの中に少しの勇気を見いだせるような気がしました。

 

 

上司1年生の教科書 自分の頭で考えて動く部下の育て方 「指示待ち人間」はなぜ生れるのか? 篠原信

4月から私の部署に新人が入ることになり、私が教育担当になると通知がありました。私自身、いままでに3社で教育を受けたことがありますが、自分が誰かを教育した経験はありません。自分が教育する立場になった時、どんなことを意識して教育すべきなのか知りたくてこの本を読みました。教育担当であって、上司ではないのですが、まぁ8年の上なら上司みたいなもんでしょう。

自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書

自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書


配属1日目〜3年目までの間で気をつけるべきこと、意識することが丁寧に説明された良書です。みんながみんな、こんな上司だったら素晴らしい職場だろうと思います。


しかし。困ったことに私がいま担当しているプロジェクトは社内ベンチャーみたいなもので、「誰も何をやったら良いか分からない」仕事なのです。もともと仕事の型があって、上司が正解を知っていて、それを部下に身につけさせるというプロセスがありません。だって「何」をするかも都度変わるんだから。「どうやるか」もやってみないと分からないのだから。私が「何」を「どうするか」決めることはできますが、部下がその通りに実行しても「成果」が出るかどうかは私自身わかっていないのです。上司である私は部下のプロセスを評価するしかないのかもしれません。ただ間違ったことを間違ったやり方で実践して成果が出なかったのに上司が高評価する、というのも会社としておかしい気がします。そんな会社潰れますよ。だって、同じことやってはいけないのだから、ノウハウの蓄積になっていないのだから。


上司になるということは部下として仕事を習うことと同等に大変なことだなと思います。本当は私と一緒に「何をどうするのが正解なのか」を考えてくれるおじさんとチームを組みたかったのですが、会社の采配なので仕方がありません。私が「何をどうするか」を考えて、より汎用性が高く、単独のタスクとして成果がわかりやすいものを中心に新人に任せていくしかないですね。



私自身、勝手に企画を立てて、勝手に社内ベンチャーを始めた人間なので、上司にとっては「自分の頭で考えて動く部下」にあたると思います。でも、私が優秀だとか、そんなことは全くありません。むしろ劣等社員だと思います。自分みたいな部下は持ちたくないですし。だって自分からやろうとした事は本気でやるけど、上から降ってきた仕事はすごくいい加減だから。こういう人はやりたいことがみつかるまでは給料の与え損です。

会社には「上から言われた事をきちっとやる人間」と「自分でやりたい事を作り出す人間」両方必要なのだと思います。後者にとっては前者の部下が欲しいし、前者にとっては後者が必要なのです。全員が前者でも、全員が後者でも、ダメなのだと思います。